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2021.02.26

知財ニュース

たった数分でリアルなデジタルヒューマンを作り出すツール「MetaHuman Creator」が登場

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ゲームエンジンのUnreal Engineを提供する『Epic Games』が、新たなデジタルツール「MetaHuman Creator」を発表しました。これを使うと、これまで膨大な時間と労力が必要だったデジタルヒューマンの作成が、わずか1時間以内に完成。短時間で本物の人間と見違える程リアルなキャラクターやアバターを作り出すことができるのです。

本記事では、そんな「MetaHuman Creator」について詳しくご紹介いたします。

デジタルヒューマンとは?

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デジタルヒューマンとは、実写と見分けがつかないようCGで作られた人間のことを言います。

SNSではデジタルヒューマンと実在の風景写真を組み合わせ、まるで現実に存在している様に見せるバーチャルモデルが注目されています。また、2019年末に放送されたNHK紅白歌合戦では、国民的歌手として親しまれた故・美空ひばりさんがAIとCGで蘇り、新曲を披露しました。これは世代を超えて大きな話題となり、様々な議論を巻き起こしました。

最近では、新型コロナウィルスの影響でデジタルヒューマンを使った非接触対応が世界各国で進んでおり、近い将来私たちの生活にも欠かせない存在になることが予想されます。

しかし、従来デジタルヒューマンを作成するためには、高額な機器やスタッフはもちろん、膨大な時間と労力、スキルが必要です。このような課題を解決するのが、Epic Gamesが開発した「MetaHuman Creator」なのです。

忠実度の高いデジタルヒューマンが簡単に作成できる「MetaHuman Creator」

「MetaHuman Creator」は、品質に妥協することなく、これまで数週間~数ヵ月かかっていたデジタルヒューマンの作成が1時間以内でできるように設計されたクラウドストリーミング アプリです。コンピューターにインストールせずとも、ネット上で完結できてしまうというのが魅力。

18種類のボディータイプや30種類のヘアスタイル、豊富なライブラリをベースに、リアルタイムレンダリングで確認しながらパラメーターで顔や体のパーツを調整できます。あらゆる場所の微調整が可能で、歯ですら変更できるというから驚きです。

細部まで細かく調整できる「MetaHuman Creator」なら、思い通りのキャラクターを簡単に作成できるのです。

ロボットを人間の容姿に近づければ近づけていくほど親近感が増していくのですが、ある一定の度合いに到達すると突然強い嫌悪感を感じる「不気味の谷」という現象があります。「MetaHuman Creator」で作成したデジタルヒューマンは、あまりにも人間と同じ表情の動きをするため、不気味の谷に陥ることがありません。

2018年に、ハリウッド俳優アンディ・サーキスが「役者の仕事は100年以内にモーション・キャプチャーが基本になると思う」と話していましたが、この動画を見ているとあと数年で実現できそうな気がしますね。

ちなみに、作成したデジタルヒューマンには、様々な使い道があります。

出来上がったキャラクターは、アセット管理ツールの「Quixel Bridge」を使ってUnreal Engineでのアニメ化とモーション・キャプチャーをおこなったり、「LOD(Level of Detail)」で描画時の詳細を整え、処理を軽くしたりします。そしてMayaファイル形式で、メッシュ、スケルトン、フェイシャルリグ、アニメーション・コントロール、マテリアルなどのソースデータを入手することも可能と、ただのキャラクター編集だけでなくプロ向けの実用性があります。またアニメ化ができたら、「Live Link Face 」というiOSアプリでも使えたりして活用の幅が広がりそうです。

簡単にアニメやCG映像が作れるなんて、まるで夢のようなツールですね。

Epic Gamesはこれまで「3Lateral」や「Cubic Motion」といったアニメーションツールを開発するスタジオを傘下に収めており、この「MetaHuman Creator」はその成果の1つだと言われています。そんな「MetaHuman Creator」は、今後数ヵ月以内に早期アクセスを提供する予定とのこと。どのような新作タイトルが登場するか、今から楽しみですね。

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