No.319

2021.05.10

持ち運びできる小型風力発電機

Wind Catcher(ウインドキャッチャー)

Wind Catcher(ウインドキャッチャー)

概要

Wind Catcher(ウインドキャッチャー)とは、簡単に持ち運び・組み立て・電力使用ができる小型の風力発電機。200×20×20 cmのバッグに収納できる折りたたみ式になっており、使用したい場所まで持ち運び、その場で簡単に組み立てることができる。元々はキャンピングカーやRV車のユーザーを主な対象として開発された製品であるが、大型発電設備の設置が難しかった地域での活用や、一般消費者による再生可能エネルギーの生産・使用など、SDGsの観点でも幅広い応用可能性が期待できる。

なぜできるのか?

持ち運びや組み立てが簡単な折りたたみ設計

組み立て後は高さ6 mにもなるが、未使用時は200×20×20 cmのサイズに折りたたむことができ持ち運びが可能。プラスチック以外の素材は主に強度の高いガラス繊維素材とポリスチレン樹脂を使用しており、総重量が10 kgと軽量である。また組み立て方法はシンプルで、15分もあれば一人で組み立てることができる。

弱風でも一定の電力が得られる制御システム

回転速度を最適化し、出力を大幅に増加させる制御システムを用いており、風の強さや昼夜を問わず一定した電力を生み出すことができる(風速8 m/sで600 W)。

環境に配慮したプラスチック部品

使用されるプラスチック部品は再生プラスチックを使ったリサイクルフィラメントでできており、すべて3Dプリンタで生産されている。また、部品の3Dデータは公開される予定で、個々が破損に応じて3Dプリンタでスペアパーツを作ることで、パーツの輸送や過度な生産を減らす仕組みを整えている。

太陽光発電との併用

出力部分にはMC4コネクタ(太陽光パネルの接続用コネクタ)が搭載されている。ソーラーパネルと併用したり夜間に足りない発電分を補ったりすることで、再生可能エネルギーを効率よく生み出すことができる。

相性のいい産業分野

環境・エネルギー

大型の風力発電機や太陽光パネルを設置しづらい山岳地帯などでのエネルギー生産

生活・文化

災害時にも活躍する地域の自立型発電・充電スポット

教育・人材

ゼロから作って学ぶ風力発電機キット

アート・エンターテインメント

太陽光発電と併用して100%その場で電力を賄う野外フェスの開催

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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