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2021.11.20

知財ニュース

宇宙ロボットスタートアップGITAI、国際宇宙ステーションで自律型ロボットアームの技術実証全てに成功

GITAI 1

宇宙用汎用作業ロボットを開発するGITAI Japan株式会社は、日本時間の2021年10月13日から10月17日にかけて、同社の自律型ロボットアーム「GITAI S1」によって国際宇宙ステーション(ISS)内での技術実証の全作業を成功させた。今回の実証では、今後の船外活動を想定した太陽光パネルの展開と組み立てを「GITAI S1」の自律制御で成功しており、ゆくゆくISS船外の宇宙空間でもGITAIロボットが作業を行うことへの重要な一歩となる。

ケーブルやスイッチのように、過度な力が加わると破損してしまうものを、ロボットの自律制御で扱うことは難しい。それを専用ロボットではなく汎用作業ロボットアームで成功させたことに対して、GITAIの最高経営責任者(CEO)の中ノ瀬翔氏は「汎用ロボットが宇宙で自律的に作業をこなした事例は過去にない。人類史に残ると言っても過言ではない実績を残せたことが本当に誇らしい」と語っている。

ISS(国際宇宙ステーション)のBishopエアロック船内で撮影されたGITAI技術実証の映像

この実証に向けて「GITAI S1」は、イーロン・マスク設立の宇宙開発企業「SpaceX」のロケット「SpaceX CRS-23 Rocket」に載せられ、2021年8月29日の同機打ち上げ翌日にはSpaceXロケットが国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキング作業に成功し、今回のGITAIロボットによるISS船内での技術実証に向けて準備を進めてきた。今後もイーロン・マスクのSpaceX社や、ジェフ・ベゾス率いるブルーオリジン社をはじめとした多方のニーズでの、国際宇宙ステーション船内・船外作業や、火星移住計画など、様々な作業での活躍が期待される。

今回の実証は米民間宇宙サービス提供企業のNanoracks(ナノラックス)社と共同で実施し、Nanoracks社は打ち上げ機会の提供、軌道上での運用管理、データのダウンリンクを担当した。また、NASAがGITAI S1の輸送と、ISSのエアロックモジュールBishop船内へのGITAI S1の設置を担当した。

宇宙用パネル組み立て等の宇宙組立作業と、スイッチ・ケーブル操作等のISS船内作業の2種類の作業を、GITAI S1で自律制御によって全て遂行することに成功。また、追加の実証実験として、ヒューストンのNanoracks社管制室からの遠隔操作でスイッチ・ケーブル操作等のISS船内作業を実施し、こちらも成功した。

undefined GITAI社とNanoracks社による技術実証成功後の撮影

NASAは「今回の実証の成功は、GITAIロボットが、汎用性があり、器用で、比較的安全(人間の生命を脅かすリスクが少ない)で、安価な労働力を求める宇宙機関や商業宇宙企業のソリューションになり得ることを証明するものです。このオプションの提供は、宇宙の商業化という目標達成を促進させることになります。」とGITAIロボットの技術成熟度の評価レベルを更新し、述べている。

GITAIでは、今回の技術実証を通して培った技術を、ドッキング・修理・メンテナンス作業が可能な船外ロボットアームの開発や、月面探査・基地開発作業が可能な船外汎用作業ロボットの開発に繋げていくとしている。

公式ホームページ
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Top Image : © GITAI Japan 株式会社

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