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2022.05.16
知財ニュース
京都観光のパーソナルモビリティ「RODEM」漆塗り特別モデルを発表─先端技術×伝統工芸技術のコラボレーション
株式会社テムザックは、かねてより開発を進めているパーソナルモビリティ「RODEM(ロデム)」に、佐藤喜代松商店による漆塗り蒔絵加工を施した「RODEM」漆塗り特別モデルを製作した。
今回使用されている漆『黎明』は、佐藤喜代松商店と(地独)京都市産業技術研究所が共同で開発した新たな精製方法である薄膜旋回分散法を用いた新規分散生漆で、これまでにない高い光沢感・透明感のある美しい漆となっている。
RODEMとは、どんな⼈も境界なく移動を楽しめる、真のバリアフリーを実現するユニバーサルデザインのパーソナルモビリティだ。⾛⾏時の⽬線が高く、歩⾏者と同じ⽬線で会話をすることが可能なので、RODEMに乗ったまま観光やカウンターでのやり取りなどを行うことができる。
RODEMを開発するテムザックは、2000年に福岡で創業したロボットメーカー。2016年に先端研究を行う研究所を京都・西陣に開所したことをきっかけに、2021年には本店を京都に移転した。
西陣に研究所を構える中で、京都の伝統工芸技術を身近に触れ、ロボットとのコラボレーションができないかと思案していたところ、京都市からの提案を受け、京都の老舗漆企業「佐藤喜代松商店」と協業し、漆塗り加工を施したRODEM漆塗り特別モデルの開発に至ったという。
テムザックは今後、RODEMのようなモビリティに観光案内や多言語翻訳、経路案内などのアプリケーションを搭載し、街中でシェアリングすることで、駅や駐車場から目的地までのラストワンマイルの移動、過疎地域の交通手段、観光地での移動+α(観光、買い物、エンターテイメント)等として活用することを目指している。これまでは全国各地で公道実証実験や自動運転化研究、荷物の配送への応用研究などを進めていたが、今後は実証実験ではなく事業モデルとして、京都から世界へ展開していきたいとしている。
Top Image : © 株式会社 テムザック