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2022.10.05
知財ニュース
ホンダ、全ての二輪製品でのカーボンニュートラル実現に向けた発表、2025年までにグローバルで二輪EV10モデル以上を投入
ホンダ(Honda)は9月13日、バイクの「電動化」を進め、2040年代に、全ての二輪製品でのカーボンニュートラル実現を目指し、引き続き二輪車の環境トップランナーとして業界をリードしていくと発表した。2025年までにグローバルで、電動二輪車を合計10モデル以上投入。今後5年以内に100万台、2030年にHondaの総販売台数の約15%にあたる年間350万台レベルの電動二輪車の販売を目指す。
二輪車・四輪車・パワープロダクツを合わせて、年間約3,000万人の顧客をもつ世界一のパワーユニットメーカーであるHonda。そのうち、およそ3分の2を占めるのが二輪事業であるため、2050年にHonda全体のカーボンニュートラル実現という目標に向けて、歩みを加速させていく狙いがある。
Hondaのバイクは、スクーターなどの小型コミューターから大型FUNモデルまで幅広いラインアップが揃い、新興国から先進国まで市場は世界中に広がっている。一方で、バイクにはクルマ以上に厳しい使用環境があるため、それを踏まえた多面的なアプローチが必要であるという。
まず電動化の推進では、2022年〜2024年にかけ、コミューターEM/EBを最大市場の中国に加え、他のアジア・欧州・日本にも計5モデル投入する予定だ。また、2024年~2025年には、一般向けのコミューターEVを2モデル、アジア・欧州・日本で販売し、さらに現在のICE(内燃機関)基準で400cc前後の中排気量に相当する「大型FUN EV」3モデル、小型のキッズ向け1モデル、計4モデルを日本・米国・欧州に投入する計画。
2025年までにグローバルにおいて、コミューターとFUNモデルを合わせた電動二輪車を合計10モデル以上投入することで、今後5年以内に年間100万台、2030年には、Hondaの総販売台数の約15%にあたる年間350万台レベルの電動二輪車の販売を目指すという。
電源となるバッテリーについては、バッテリー性能が高く、劣化も少なく小型化が可能な次世代バッテリーである「全固体電池」が二輪との相性の面から最適だとし、現在クルマ向けに開発中の全固体電池を2020年代後半以降に二輪車へ搭載も目指す。それと同時に、交換式バッテリーの普及、充電インフラの拡充を図るための取り組みも進める。
二輪の主要市場の一つであるインドネシアでは、交換式バッテリーである「Honda Mobile Power Pack」搭載車を活用したバッテリーシェアリングの運営を行う合弁会社を設立し、現在はバリ島でバッテリーシェアリングサービス事業を展開している。インドでも同様のサービス事業を2022年中に開始予定としている。
日本では2022年4月、ENEOSとHondaなど国内二輪メーカー4社とで株式会社Gachaco(ガチャコ)を設立しており、2022年秋にバッテリーシェアリングサービスを開始する計画だという。
ソフトウェア領域では、「従来のハード売り切り型主体のビジネスから、ハードウェアとソフトウェアを融合したサービスソリューション指向のモビリティカンパニーへの変革に取り組んでいく」と常務執行役員の野村欣滋氏は語っている。
子会社であるDrivemode(ドライブモード)社と共同でソフトウェア開発に取り組み、電動二輪車におけるコネクテッド領域の新価値創造を強化していくとのこと。具体的には、航続可能距離を踏まえた最適ルートや、充電スポットの案内、安全運転コーチングやアフターサービスの支援など、移動時間の質を持続的に豊かにするUX(ユーザーエクスペリエンス)を、2024年に発売予定のコミューターEVから順次提供していく。
なお、ICEのCO2排出量削減に継続的に取り組んでいるほか、燃費改善にとどまらず、バイオ燃料、あるいはエタノールを混合した燃料などの世界各地域特有の事情に応じたカーボンニュートラル燃料に対応したモデルの開発に取り組むことで、二酸化炭素排出量の削減を図る。
多面的、多元的なアプローチで、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指すとともに、従来のICE搭載車と同様、電動車でも「操る喜び」を届けるとともに、電動車ならではのソフトウェアとの親和性の高さを生かし、新価値をもつ商品を提供していくとのこと。
Top Image : ©︎ 本田技研工業 株式会社