スマートフォンのパーツのみ簡単に交換可能で、持続可能なスマートフォン製造で知られるオランダのFairphoneが、2021年11月23日（米国時間）、発売開始から6年が経過した端末「Fairphone 2」にAndroid 10へのソフトウェアアップデートとサポート提供を開始すると発表した。発売から7年間のソフトウェアサポートとなり、Android端末でこの長さのサポートは業界初となる。

Fairphone社は、スマートフォンをできるだけ長く使い続けることを目標とした「世界一エシカルなスマートフォン」。一般的にスマートフォンは修理が難しく、ソフトウェアのアップデートも経年とともに限られていくことから、スマートフォンは買い替えの一途を辿り、世界的な電子機器廃棄物の増加につながっている。Fairphoneは、ユーザーが個人でも端末を簡単に分解することができ、故障したパーツだけを交換したり修理したりが可能。カメラやスピーカー、充電用ポートなど部品だけ交換することで新しいスペックの製品にアップグレードすることも考慮されている。

また、一般的にスマートフォンの部品に使われる貴金属類は途上国から搾取され不当に安い価格で取引が行われ、さらに武装集団の資金源にも繋がっているが、Fairphoneは途上国からの不当な搾取を無くすことを考えフェアトレード金や論理的に調達された貴金属が使用されており、リサイクルされたスズや再生プラスチックなどが使用されている。

今回Android 10へのアップグレードが発表されたFairphone 2が発売されたのは2015年。当時販売されたAndroidの中で現在も継続してソフトウェアサポートを受けられる世界でも数少ない機種となる。販売当初はAndroid 5が搭載されており、その後Android 6、Android 7.1、Android 9へとバージョンアップされてきた。

今回のAndroid 10へのアップデートは、より早くより合理的なプロセスが可能になり、2022年初頭にアップデートできるようになるとのこと。さらに後継機種のFairphone 3およびFairphone 3+でも、Android11向けのベータテストを開始すると発表している。

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