数秒で完璧な歯磨きができるスポンジ歯ブラシ「Blizzident」

歯は一生モノ。現在では歯科技術の進展とともに、高齢者になっても自分自身の歯を多く残し続けようという動きが高まっています。

東北大学医学部・歯学部合同研による研究では、残存歯が少ない人ほど認知症になりやすいという結果も出ており、将来のためにも常に口腔機能を維持することが重要なのです。しかし、厚生労働省が2017年に発表した歯科疾患実態調査によると、「虫歯がある」大人は約3割にのぼるそうです。口内環境を整えるためには定期的な歯科検診も大事ですが、毎日のセルフケアが最も重要になってきます。

そんな中、ドイツメーカーのBlizzidentが、数秒で完璧な歯磨きができるスポンジ歯ブラシをリリースしました。通常の歯ブラシの場合、正しく使用しても2〜3分間で口内の70%程度しか磨けないのに対し、このスポンジ歯ブラシは口内で数秒間噛むだけで歯肉まで100%磨けるそうです。

Blizzidentの歯ブラシは、実は2013年時点では3Dプリントの歯ブラシとして開発されていました。

「Blizzident」は、歯科医にとってもらったスキャンを基にして、3D印刷で受注生産される歯ブラシだ。さまざまな角度で植えられた毛を使って、まるで車の洗浄機のような要領で歯を磨き、すべての歯が均等に、徹底的に磨かれるという。

使い方は極めて単純で、噛みしめる動作を10~15回、6秒間繰り返すだけだ。これにより、ブラシの毛が「バス改良法」と「フォーンズ法」によるブラッシングを繰り返し、臼歯や、歯肉線の下の空間まできれいにする。

さらに、歯科衛生士が強く推奨しているが、手で実施するのは難しい「歯肉縁下バス法」(Sub-Gingival Bass Technique)を使って、歯肉線の周囲もきれいにする。

https://benatechno.com/models/blizzident/

上記は2013年のWIREDの記事からの引用。スポンジ歯ブラシと同じく口内で噛みしめるだけで完了するアイテムですが、透明の入れ歯に歯ブラシの毛が密集しているような見た目が印象的。持ち手部分はフロスケースになっており、同時にフロスもできるようになっていたそうです。

画期的な歯ブラシですが、購入するためには歯医者で歯型か歯のスキャンをとってもらい、Blizzidentのサーバーへアップする必要がありました。そして1本299ドルという金額。なかなか気軽に購入することは難しかったかもしれません。

今回改良されたスポンジ歯ブラシは受注生産ではないため、歯科医で歯型をとることもなく、改良前と比較すると6つで119ドルとリーズナブル。気軽に購入することが可能となりました。さらにスポンジ歯ブラシは舌磨きも同時に行うことができ、速乾性スポンジで衛生面も安心という、改良前以上に使い勝手の良いアイテムになっています。

日本で口腔ケアの重要性が説かれるようになった背景には、介護を必要とする高齢者数の増加があります。口腔ケアとは、口腔の「清掃を中心とするケア」と「機能訓練を中心とするケア」を指す言葉。セルフケアが難しくなると介護者が代わりにケアをすることになりますが、自浄作用や免疫力の低下、ドライマウスなど、高齢者の口腔内には気をつけるべき点が多く、さらに誤嚥性肺炎や認知症の予防など体全体の健康にも直接繋がるため、口腔ケアはとても重要なものと考えられるようになりました。
しかし、口腔内はとてもデリケートなので介護者による歯ブラシでのケアを嫌がる方もいます。その中で丁寧に何人もの方に口腔ケアを行うのは難しいものではないでしょうか。スポンジ歯ブラシの場合、数秒でケアが完了する点や歯ブラシを噛みしめるという動作から、口腔ケア用品のひとつとして介護の現場でも活躍しそうです。

高齢者になっても自分の歯で食事をするためには、歯科技術の進展とともにセルフケアの進展も必要です。歯ブラシでは磨ききれない部分までセルフで簡単にお手入れができるようになると良いですよね。歯ブラシやフロス、マウスウォッシュなど、丁寧に時間をかけて行うセルフケアのイメージが変わる日も近いかもしれません。

ニュース原文はこちら
https://wired.jp/2013/10/03/blizzident/