No.1104
2025.12.22
ドラッグ&ドロップも。メガネをマウス化し、デジタルデバイスを操るメガネ
JINS ASSIST

概要
「JINS ASSIST(ジンズ アシスト)」とは、手を使わずに頭のわずかな動きだけでスマートフォンやPC、タブレットを直感的に操作できるメガネ装着型のハンズフリーマウス。メガネのつる(テンプル)に取り付ける約4gの極小・軽量デバイスで、独自のセンサー技術により頭の動きを検知し、クリックやスクロール、ドラッグ&ドロップといった多様なマウス操作を可能にする。JINSが培ってきたメガネ型ウェアラブル「JINS MEME」のセンサー技術を応用し、障害のある人々やその家族の「自由にコミュニケーションをとりたい」という切実な声から誕生した。デジタル化が加速する社会において、操作の不自由による「デジタルデバイド」を解消し、誰もがデジタルの恩恵を享受できる未来を目指している。
なぜできるのか?
4gの極小デバイスによる高い汎用性
本体重量わずか4g、サイズも28mm×17mm×7mmと極めて小さく、既存のほぼすべてのメガネにアタッチメントで簡単に装着できる設計となっている。専用のヘルメットやゴーグルのような重装備を必要とせず、いつものメガネをそのままコントローラー化できるため、身体への負担が少なく、日常のあらゆるシーンで活用可能。
頭の小さな動きを捉える高精度センサー技術
かつて開発された「JINS MEME」のセンサー技術を継承・進化させ、頭の動きの速さを検知することで、小さな動作でもスムーズなカーソル移動を実現している。例えば「うなずく」動作でクリックを選択するなど、直感的な3ステップの操作体系を構築。大きな動作を必要としないため、長時間の使用でも疲労を抑え、高い生産性を維持できる。
充電不要・低遅延の有線接続
USB Type-Cによる有線接続(バスパワー駆動)を採用しているため、バッテリーを搭載せず、充電の手間や接続が途切れる心配がない。これによりデバイスの軽量化と、確実な操作レスポンスを両立させた。また、WindowsやMacに対応した専用の補助ソフトにより、ショートカットキーの割り当てや感度調整など、ユーザー一人ひとりの状態に合わせたカスタマイズが可能。
当事者との共創によるUIの追求
開発過程では、頸髄損傷や四肢麻痺を持つ当事者によるオープンテストを繰り返し、4年間の開発期間中に3度もゼロから作り直すなど、徹底した現場視点の改良が重ねられた。その結果、文字入力のストレスが大幅に軽減され、入力速度が2倍以上に向上した事例も報告されるなど、実用性の高いインターフェースが実現している。
相性のいい産業分野
- 医療・福祉
重度の身体障害を持つ方の就労・就学支援や、リハビリテーション現場での生活支援ツール
- IT・通信
ハンズフリー操作を必要とする環境や、アクセシビリティ向上を目的としたソフトウェア開発
- 教育・人材
手の操作に困難を抱える児童・生徒が、タブレットやPCを通じて学習に参加できる環境の整備
- メディア・コミュニケーション
SNSやリモートワークツールにおける、新しい入力インターフェースとしての活用
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 ジンズホールディングス
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