No.5000

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2026.02.25

流れの中に立ち、投影された3Dモデルに触れる。時空間同期xR技術

時空間共有・物理干渉インターフェース

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左:3D モデルと人体モデルの組合せの実例/右:CAVEを用いた流れ解析結果の実例 (出典:エバラ時報260-261)

概要

「時空間共有・物理干渉インターフェース」とは、遠隔地間における高度な空間共有と物理シミュレーションを可能にする新システム。荏原製作所が保有する「自立型時計モジュール技術(特許第5328404号)」および「浮遊体映像投影技術(特許第7149689号)」を基盤とし、産業分野で培ったxR(Cross Reality)技術による「遠隔協調」「接触干渉」「流体解析可視化」の機能を統合している。

時空間同期によって、電力供給や通信環境が不安定な状況下でも正確な時刻同期を維持しながら、生活空間や産業現場の空間そのものをディスプレイ化し、離れた場所にいるユーザー同士があたかも同一空間に存在するかのような協調作業環境を提供する。

近年、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)やCAVEシステムを用いたVR(仮想現実)技術の活用が進んでいるが、荏原製作所の持つ特許技術である「浮遊ドローン投影システム」と融合させることで、専用設備を必要とせず、物理的な距離を超えたコミュニケーションを実現したり、様々な空間で高度なエンジニアリング検証に活用できるインターフェースとして提供する。離れた家族間のコミュニケーション支援(「おかえり」等の気配伝達)に応用されるほか、産業界においては、ポンプ場やプラントのレイアウト確認、熟練技術者による遠隔指導、危険予知(KY)活動の教育ツールとしての展開が期待される。

また、ドローンが投影する3Dモデルに対し、ユーザーの手が触れると映像の色が変化し振動で応答する「接触干渉」機能や、目に見えない気流を粒子として空間に描き出し、その中に入り込んで観察できる「流体可視化」機能を実装している。これらの産業用検証技術を、移動しても歪まない「自律的な空間投影」と組み合わせることで、HMD等の装着なしに、デジタル情報を物理的な「手触り」や「実在感」として現実空間に実体化させる。

エバラ時報260-261 img02 没入者に接触を知らせる実例 出典:エバラ時報260-261

エバラ時報260-261 img01 荏原製作所が運用しているCAVEシステム(出典:エバラ時報260-261)

妄想プロジェクト 妄想プロジェクト

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離れていても「今」と「空間」を共有する、電力自立型・空間同期プラットフォーム「シンクロ・モーメント・リンク」

「シンクロ・モーメント・リンク」は、物理的に離れていても大切な人と「瞬間の共有」を実現する技術基盤。空中に浮かぶドローンが、ユーザーの“今この瞬間”の空間を、音・映像・光で劇的に書き換える。

このシステムは、テレビ番組やイベント会場の映像をリアルタイムで同期させ、xR技術を用いて部屋の中に再現・体験することを可能にする。投影機能を搭載した浮遊ドローンは、遠く離れたイベント会場の熱気などを、映像と光で空間に映し出し、空中に“浮かぶ演出”として届ける。また、xR技術を活用することで、部屋の中に異世界空間や世界遺産巡りなどの遠隔地の映像を映し出し、あたかも実物が目の前にあるかのようなスケール感で出現させることも可能となる。

荏原製作所の「遠隔協調」技術(遠隔地をインターネット回線で接続し、それぞれの地点から同一の仮想空間へ没入し、同一の3D モデルを立体視する技術)を応用し、離れた場所にいるユーザー同士が互いにアバターとして同一の仮想空間へ没入することも可能。ドローンが空間に投影する3Dモデルを囲み、お互いの位置を認識し合いながら、アバターの手を使って「ここ、そこ」と指差しを行い、音声だけでなく身体的な動作を伴ったリアルタイムコミュニケーションを実現する。

さらに、「接触干渉」機能を統合し、投影されたオブジェクトに手が触れると映像の色が変化したり、デバイスが振動したりすることで応答。これにより、レーザーポインター等を用いた「接触干渉ゲーム」などのインタラクティブな要素も実現する。

加えて、産業用の「流体解析可視化」技術(本来目に見えない空気や水の流れを、空間上にパーティクル(粒子)映像として重ねて表示する技術)を応用し、通常は目に見えない“複雑な海流”や“発生した渦”を、輝く光の粒子(パーティクル)として空間に立体的に描き出す。これにより、部屋の中にいながらにして、キラキラと光る海流の軌跡を読み、その流れに乗って遊泳するような、幻想的かつ本格的な「スキューバダイビング体験」までもが可能となる。ポンプ内部の不可視な流れを解析する高度なエンジニアリング技術が、エンターテイメントとして昇華された新たな体験である。

映像はドローンが壁面や家具の形状に合わせて歪みを自動補正して投影するため(特許技術「浮遊体に映像を投影するシステム」)、スクリーン不要で、あたかも実物が目の前にあるかのようなスケール感で空間を変化させる。遠く離れた相手からのお互いの映像を、空間に自然に溶け込ませ、「気配」として届ける。

また、電力供給が不安定な状況でも正確な時刻を維持する「自立型時計モジュール」を搭載し、ユーザーがセットしたタイミングで、空間全体にメッセージを浮かび上がらせることが可能。通信ラグや通信環境に左右されず、遠隔地同士で完全にシンクロしたタイミングでのメッセージ配信や映像配信を可能にする。

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なぜできるのか?

このコミュニケーション体験サービスは、「瞬間の正確な同期を保証する技術」と「移動しても歪まない映像投影技術」に加え、「産業用xRの高度な検証技術」が融合することで実現している。

電力自立型 RTCによる「時空間同期」(特許:JP5328404B2の活用)

本装置は、家庭用コージェネレーションシステム等の技術を応用した「自立型時計モジュール」を搭載している。特許 JP5328404B2 に基づくRTC(リアルタイムクロック)技術により、各家庭や施設で『今』の瞬間をリアルタイムで共有。災害時や電力供給が不安定な環境下でも時刻情報を正確に保持し、通信遅延(ラグ)に依存しない絶対的な時刻同期を実現する。これにより、遠く離れた家族やコミュニティが、電力状況に左右されることなく、完全にシンクロしたタイミングで情報提示でき、「今」という同じ瞬間を共有することが可能となる。

浮遊体による「歪みなし」動的空間投影(特許:JP7149689B2の活用)

特許技術「浮遊体に映像を投影するシステム」(特許 JP7149689B2)により、多面体型の浮遊ドローンが空間を移動しながら、壁面や対象物の形状に合わせて映像の歪みをリアルタイムで自動補正して投影する。装置に搭載された制御部が位置と姿勢を計測し、投影される映像を瞬時に補正するため、ドローンが空間を移動したり、姿勢を変えても常に高品質な映像体験が可能。スクリーン不要で、生活空間そのものを情報の表示媒体へと変化させる。

「触れる・見る」を拡張する産業用検証機能(エバラ時報 260・261号)

本システムは単なる映像投影にとどまらず、産業界で培われた高度な検証機能を統合している。具体的には以下の2点がある。

 ・木号触覚フィードバックを伴う「接触干渉」機能

投影された3Dモデルに対し、ユーザーの手が触れたことをシステムが検知する。例えば、投影されたオブジェクトに手が触れると映像の色が「青(接触)」や「赤(把持)」に変化し、同時にデバイスが振動することで直感的に通知する。これにより、遠隔地から送られた立体物に「触れる」感覚を疑似体験できるほか、産業用途では、実機がなくても、配管や機材のメンテナンススペースが十分に確保されているか、手が届く範囲にあるかといった作業性を、自分の手を使って確認することが可能となる。

 ・「見えない流れ」の没入型可視化

従来、断面図でしか評価できなかった空気や水の流れを、空間上にパーティクル(粒子)映像として立体的に可視化する「流体解析可視化」技術を搭載。ユーザーはドローンが投影する空間内に入り込み、自分の視点で気流や渦(空気吸込み渦など)の発生場所を360度自由な角度から観察できる。これにより、室内の換気確認といった生活用途から、ポンプ内部の複雑な流動解析といった専門業務まで、断面図では把握できない「立体的な流れ」の理解を支援する。

この知財の情報・出典

・浮遊体に映像を投影するシステム(特許第7149689号)
・家庭用コージェネレーションシステム(特許第5328404号)
・xR技術を用いたポンプ補器類・配管配置の確認、及び流動状況の把握(エバラ時報 260・261号)

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 荏原製作所、株式会社 知財図鑑