No.1110

2026.02.18

空気充填の要らない次世代タイヤ

AirFree ™(エアフリー)

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概要

「AirFree(エアフリー)」は、空気の代わりにリサイクル可能なスポーク形状の熱可塑性樹脂で荷重を支えるため、パンクの心配がなく、高い資源生産性とメンテナンスの効率化を実現する。さらに、スポーク部分には薄暗い時間帯においても視認性を最大化できる青色「Empowering Blue」を採用し、安心・安全な移動(走行・歩行)を支える。「AirFree」は、地域が抱える交通に関する課題の解決策として注目されている「グリーンスローモビリティ」をターゲットの一つとし、2026年の社会実装に向けて活動を推進している。

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なにがすごいのか?

  • 空気充填不要でパンクしない構造

  • 素材をリサイクルできるサステナブル設計

  • AIと解析による形状の最適化

  • 空気圧の点検·管理が不要になる運用性

なぜ生まれたのか?

パンクや空気圧の低下により車両が動けなくなることは、地域交通をはじめとした移動において運行上の課題の一つとなっている。特に、高齢化や人手不足が進む地域では、日常的な点検やメンテナンスに割くことができるリソースも限られており、移動インフラの安定性が揺らぎやすい環境が続いていることになる。一方で、タイヤは世界的に大量に消費される製品であり、使い終わったタイヤの原材料への分離やリサイクルの難しさが資源循環の妨げとなる場面も多い。AirFree は、こうした複数の課題に同時に向き合うことができる技術である。空気を使わずに荷重を支える構造を採用し、素材をリサイクルしやすい形に設計することで、「安心・安全な移動を止めない」と「サステナビリティ」の両立をめざすアプローチとなっている。

なぜできるのか?

樹脂スポーク構造

空気の代わりに荷重を支えるのは、タイヤ内部に張り巡らされた熱可塑性樹脂のスポーク構造。路面からの荷重をスポークに分散し、たわませることで、バネのように衝撃を吸収。パンクの原因となる「空気」という要素そのものを設計から外しても、耐久性と乗り心地を両立している。更にゴムトレッドと組み合わせることで、グリップ性能を確保している。

分離・循環を前提にした構造設計

外周部のトレッドゴムと内側の樹脂スポーク部を、明確に分離できる2ピース構造にしている点も特徴。摩耗した際にはトレッドゴムだけを交換し、樹脂部は粉砕・ペレット化して再成型することを想定した設計になっている。素材の分離性とシンプルな構造を組み合わせることで、リトレッドとリサイクルを前提とした「循環しやすいタイヤ」を実現している。

シミュレーションとAIによる形状最適化

スポークの太さや角度、配置パターンは、3D-CADとCAE(Computer Aided Engineering)によるシミュレーションで、荷重時の応力分布やたわみ量、振動特性を細かく検証しながら決めている。そこで得られた膨大な計算結果をAIが学習し、「強度を保ちながら材料を減らす」「乗り心地を損なわずに剛性を高める」といった条件に対して、より良い形状案を探索していく仕組みになっている。このプロセスにより、形だけではなく“性能として最適なスポークパターン”を設計できる。

相性のいい産業分野

流通・モビリティ

空気充填の要らない利点を活かし、点検負荷の少ない次世代の配送車両や自動運転のラストワンマイル車両に展開

官公庁・自治体

高齢化地域の移動手段として、地域が抱える様々な交通の課題の解決を目指すグリーンスローモビリティへの装着

製造業・メーカー

工場内の無人搬送車(AGV)や屋内/外走行車両に装着することで、生産ライン全体の停止リスクを低減

旅行・観光

観光地の低速巡回モビリティや自動走行ガイドカートに採用し、“メンテナンスフリーな周遊サービス”を実現

環境・エネルギー

リサイクルしやすい構造を活かし、資源生産性の向上・サーキュラーエコノミーに貢献

航空・宇宙

「AirFree」で培ってきた技術を活かした月面タイヤを考案。金属製スポークを採用し、またトレッド部を分割。これにより、岩や砂に覆われまた真空状態で激しい温度変化や放射線にさらされる極限の月面の環境下においても、走破性と耐久性の高次元での両立を目指す

この知財の情報・出典

この知財は複数の特許や要素技術によって構成されています。
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Top Image : © 株式会社 ブリヂストン