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2021.04.12

知財ニュース

6,000点を超える広告コピーからAR三兄弟×TCCが時代を表す一行を解析——期間限定ARも開発

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東京コピーライターズクラブ (以下 TCC)は、「コピー年鑑2020」に応募された6,000点を超える広告コピーを分析し、2019~2020年を象徴する1行を発表した。今年はAR三兄弟の長男、川田十夢氏とタッグ。分析に加えて、年鑑の購入者に体験してもらえるスペシャルなARも開発された。

TCCでは毎年「コピー年鑑」発刊に合わせて、広告コピービッグデータ解析を行っている。6回目となる今年は、AR三兄弟が独自開発したシンガー・ソング・タグ・クラウド(歌詞を分析してアーティストの深層を考察する解析システム)を使い、全応募6230作品を形態素解析して品詞ごとの頻出用語を抽出・分析。2019~2020年を象徴する1行を編み出した。

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もう:2019年度の頻出副詞1位は「どう」だったのが、2020年度は「もう」に変化した。
令和:2019年度は登場せず。2020年度は54回登場。
の :2020年度の頻出助詞1位は「の」10229。次点「に」7666。
私 :2020年度の頻出代名詞1位は「私」700。次点「あなた」438。
です:2020年度の頻出助動詞1位は「です」2487。次点「ない」2453。

今回の「コピー年鑑2020」の応募対象作は、2019年3月から2020年2月末までに実際に使用された広告コピー。

2019年5月に元号が変わり、2020年の初頭にはコロナの足音が聞こえ始めた。分析対象の広告たちが世に出ていた頃、世の中はまだそんなに大きく変わってはいなかった。しかし頻出副詞の1位が「どう」から「もう」になったのは、平成から令和という「未来」へ向いていた前年の目線が、令和になってから「今現在」に向けられるようになったからかもしれない。コロナ禍で起こることになる、人々の気持ちの変化を表して(予感して?)いるようにも思える、非常に興味深い結果となった。

川田十夢氏は、今回の分析、およびAR開発について次の言葉を寄せた。

TCC年鑑の記念すべき号で、こうしてコラボレーションさせてもらって大光栄です。
コピーライターは、ある意味、時代に感情を組み込むプログラマーだと捉えています。
開発の合間にその言葉を読んで、想像して、いつも楽しませてもらっています。
受賞者のみなさま、おめでとうございました。

また、今年は新しい試みとして、コピー年鑑の表紙(外箱ではなく本の表紙)にスマホやタブレットをかざすことによって体験できるARもリリース。ARでは、さまざまな視点や言葉が集合する「コピー年鑑2020」のテーマである『集まる』が表現されている。アプリケーションを入れなくても、専用のURLにアクセスすれば利用可能だ。

■期間
2021年3月29日(月)~2021年4月25日(日)
■AR体験URL
https://tcc.ar3.jp

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2020年3月以降も様々な広告コピーが誕生しているが、来年はどのような1行が発表されるのか、今から予想しておくのも楽しみ方の一つだろう。中身はもちろん、表紙でも楽しめる「コピー年鑑2020」。言葉と広告に関心のある全ての方に、ぜひ手に取ってほしい1冊だ。

ニュース原文はこちら

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