No.1108

2026.01.07

巻きつけるだけで止められる特殊なバンド

TUGHUGバンド

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概要

「TUGHUGバンド」とは、非可逆で簡単な巻き締めのできるバンド。巻きつけるだけで強固に縛り止めることができ、異なる材料、異なる形状のものを接合することを可能にする。TUGHUGバンドを用いて縛った対象は傷つけることなく、解体後は元通りバラバラにして、材料もバンドも別の場所で再利用が可能。「ある役割を終えたモノの後をつぐ。」というコンセプトを体現している。このバンドは、株式会社日建設計のDDL(デジタルデザインラボ)によるデザインプロジェクト「TUGHUG(継具接具)」の一環として開発された。プロジェクトのコンセプトは「適応するデザイン」であり、「異なる素材、異なる形であっても、つなぐことができれば、モノはもっと多くの状況に適応し、持続する」という提案のもと、「すでにあるものにダメージを与えず再利用する、『あとを継ぎ、つなげる』」ことを目指した持続性あるデザインコンセプトで製作されている。

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band

Ninamesai

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なぜできるのか?

簡単に増し締めができ、再利用可能なTUGHUGバンド

非可逆で簡単に増し締めができる特殊なバンド。日建設計のDDL(デジタルデザインラボ)が開発し、単なる紐や縄でものを繋げる行為に着目した「縛る」に特化した道具。このバンドによって、異なる材料、異なる形状のものを縛り止めることができる。バンドの両面には歯のような機構が設けられており、この歯が返しの役割を果たす。この機構によって容易に増し締めを行うことができ、複雑で難しい結ぶということをすることなく、誰でも強固にモノを縛ることができる。同社が開催したワークショップでは、小学校低学年の子どもでも、バンドを使いこなし、自分の身長を超える大きな構造物を作り上げることができた。バンドは何度も外すことができ、縛る対象を傷つけず、材料もバンドも再利用が可能。(現在特許出願中 / 登録意匠第 1804543 号)

プロジェクトに合わせたバンドデザインが可能

プロジェクトに合わせて、TUGHUGバンドのマイナーバージョンのデザインが可能。道具自体を設計することで、プロジェクトそれぞれが持つ問題に対してより柔軟に答えることができる。熊本県小国町で開催される新嘗祭では、隣接する木材製材所で排出される端材を利用したベビーカー置きテントを制作。そのテントには、木端材の荒々しい表面と調和するように、歯の形状や、バンドの幅、厚みなどをテント専用にデザインしたTUGHUGバンドを使用した。

TUGHUGプロジェクトでは様々なプロトタイプを制作

オフィス改修で排出されるOAフロアと寸切りボルトを材料とした棚「OA Shelf」や、建材工場で定期的に大量に廃棄される紙管を使用したソファ「Paper Tube Sofa」を作成。「OA Shelf」は、OAフロア形状にフィットするジョイントにねじ穴を設け、OAフロアを寸切りボルトに載せることで面を構成している。「Paper Tube Sofa」は、2本のPPバンドと3種類のジョイントで、あらゆる形状にまとめられるシステムを構築した。日本デザイン振興会が主催・運営するデザインコミュニケーションプラットフォーム「Good Design Marunouchi」ではTUGHUGをテーマにした展示を実施。木の角材、エンビ菅、ボルトという全く異なる三つの材料をバンドのみでつないで作る棚「3E Shelf」を展示した。閉会後は、現場で約5分程度で解体することができ、材料の状態でコンパクトに運搬した。この展示で使用した材料とバンドをそのまま再利用し、日建設計東京ビル、共創の場「PYNT」で、全く同じモノを再度作り上げた。

相性のいい産業分野

製造業・メーカー

製造過程で不要になった廃材を活用した什器への活用

資源・マテリアル

捨てられるはずの資源の活用

環境・エネルギー

役割を終えた廃材の有効活用で環境問題に貢献

医療・福祉

災害時や医療現場での簡易な設備、家具などへの活用

この知財の情報・出典

・登録意匠第 1804543 号

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 日建設計