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2026.04.06
知財ニュース
京都大学とテラバース社、キリスト教AI「プロテスタント教理問答ボット」を開発

京都大学熊谷ラボとテラバース社の研究開発グループは、将来的なキリスト教AI創成の出発点として、「プロテスタント教理問答ボット」(通称:カテキズムボット)を開発したと発表した。
同研究グループは、これまで多数の仏教AIプロダクト(ブッダボット等)を開発してきた。今回、新たに開発されたキリスト教AI「プロテスタント教理問答ボット(カテキズムボット)」は、⼈々の様々な悩みに宗教的観点から回答する対話型のキリスト教AIだ。
「カテキズム」(catechism)とは、キリスト教の教えに関するQ&A形式の概説書の総称だ。カテキズムは⼊⾨教育時、通過儀礼としてのサクラメント(洗礼や堅信礼など)前に⽤いられるなど、歴史的に重要な役割を果たしてきた。キリスト教に馴染みのない多くの日本人にとって、これらカテキズムのAI化は、世界最大の宗教に関する教養を身近なものとし、その知的関心に応えるものとして期待される。
キリスト教AIには、「新約聖書」、キリスト教教義に関する主要な⼊⾨書・概説書の⼀つである「⼩教理問答」と「ウェストミンスター⼩教理問答」のデータを学習させている。これにより、AIがユーザーの質問と最も関連が深いと判断した⽂⾔を回答として提出し、OpenAIの⼤規模⾔語データベースにもとづいて、解釈や追加説明を⽣成し提供する構造を採⽤している。
さらに、チャットボットの精度を⾼めるための学習データとして、Q&A形式リストを作成。「⼩教理問答」、「ウェストミンスター⼩教理問答」の原⽂をベースに、⽇本語版の機械学習⽤Q&Aリストを作成した。データ作成に際しては、原典の⽂法と⽂意をできるだけ損なわぬように⼼がけ、キリスト教徒以外の⼈でも、予備的知識なしで理解できる平易な⽇本語⽂体に編集した。
しかし、ChatGPTによる補⾜説明部分は事実と異なる可能性もあるため、注意が必要だとしている。
今後、他のプロテスタントの重要⽂献、さらに正教会、カトリック、聖公会や東⽅諸教会の重要⽂献もデータに追加して、より重厚なキリスト教AIを構築していく予定とのことだ。
この研究グループの熊谷誠慈氏(京都大学)は、「既存の仏教AIに加えて、今回、キリスト教AIを開発したことで、AI開発における宗教多様性を実現することができました。今後、様々な宗教や哲学とテクノロジーを融合した『伝統知テック』開発をさらに加速し、より豊かなデジタル文化を提供して参りたい所存です。」と述べている。
Top Image : © 京都大学 熊谷誠慈


