No. 002 影をあやつる錯視テクノロジー

浮像(うくぞう)

浮像は、絵などの「2D表現物」に影をつけて立体的に浮かび上がるような錯視を起こす機構。カメラを通して絵などの「2D」の形状や位置を認識し、プロジェクターを用いて影・奥行きを投影する。それによって「3D」に見える錯視を起こすことが可能となる。

なにがすごいのか?

  • 複雑な設定を要せず、リアルタイムに「絵」を認識して影を生成できる
  • 絵画や写真だけでなく、その場で書いた絵や文字にも対応できる
  • カメラやプロジェクターの組み合わせ次第で、大小様々なシステムが作り出せる

なぜ生まれたのか?

錯覚を利用することで、現実場面でのモノの知覚や認知をより便利に、より楽しい方向へ変えていくことが可能となる。普段私たちが何気なく行なっている「見ること、聞くこと、触ること」をより一層楽しむことができる世界を創るための技術開発として開発された。

妄想プロジェクト

岩壁マッピング

観る人を魅了するプロジェクションマッピング。この技術を提供者側の視点で捉えると、華やかな演出とは裏腹にそのセットアップは非常に複雑である。特に、採石場や岩壁などの特徴的な会場では、投影対象となる壁の微妙な凹凸がスタッフの頭を悩ませる。凹凸のある対象へのマッピングでは照射位置の公正が難しいからだ。
しかし、この課題は「浮像」を応用することで解決できるかもしれない。カメラ部分で認識した凹凸の高低差に応じた影を加えることで、独特な風合いのマッピングを行うことが可能となる。さらに、簡単な設定のみで運用できるため、僻地でのイベントでは特に威力を発揮しそうだ。

実現プロジェクト

お絵描きが楽しくなるデスクライト「MILO」

立体的な絵を描きたい、こんな想いを一度は抱いたことがあるだろう。しかし、多くの人が「自分にはセンスがないから」とセンスのせいにして諦めてはいないだろうか。そんな想いを形にしてくれるのが「浮像」を搭載したデスクライト「MILO」。このライトを使えば、描いた絵に勝手に影がついてくる。立体感の増した絵は自然と上手に見えてくる。さらに、浮く像ライトが演出してくれた影を上からなぞっていくことで、実際に立体感のある絵を描く練習ができる。影をつけるスキルを手に入れたとき、あなたの絵はワンランク上のもになっているはずだ。
※NTT communications主催イベントにて展示されました。
(企画制作:NTT + Konel)

なぜできるのか?

奥行きの錯覚

印刷された対象に対して、影パターンを投影することによって目の錯覚が起こり、対象が浮いているように見える。影のパターンを工夫することで「紙なのに透明フィルムである」かのような質感を実物体に与えることができる。

相性のいい分野

エンターテインメント
錯覚を利用した体験型のコンテンツやゲームへの活用
アート
美術館の展示物を立体的に見せるなど、リッチな体験の提供

知財情報

主な知財ホルダー:日本電信電話株式会社

・商願2018-101978:「浮像」

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

Mitsuyo Demura
出村 光世 Mitsuyo Demura
Producer / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。アート/プロダクト/マーケティングなど領域に縛られずにさまざまなプロジェクトを推進。プロトタイピングに特化した「日本橋地下実験場」を拠点に制作活動を行い、国内外のエキシビションにて作品を発表している。自然現象とバイオテクノロジーに高い関心がある。