No.060
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2020.06.08
生体・非生体仕分けセンサー
生体検出
概要
「生体検出」は、近赤外光を生体に照射して生体内の散乱光を検知し、脈拍や血流量などを取得する非接触型の生体信号計測技術である。計測環境に太陽光などの外乱光が存在する場合に、これまでは十分除去できなかった表面散乱光を抑制し、内部散乱光を正確に検出することができる。将来的には、生体計測機能を備えたウェアラブル端末などへの利用が期待されている。
なにがすごいのか?
生体内部の信号を測定するので、外見に捉われずに生体を判別
被験者に接触することなく、生体情報を取得
顔認証や体動のセンシングに活用できるため、セキュリティや見守りなどへの応用が可能
なぜ生まれたのか?
昨今では顔認証やオンライン本人確認など、利便性が高いサービスの登場に伴い、不正なりすましやハッキングといったセキュリティ上の重要性が増している。それゆえ、外見だけでなく、生体内部までを確認し本人と照合するような技術の開発が必要であった。また、通常、生体情報を取得するためには接触型の測定が必要であったが、被験者を長時間拘束するなど不快感を招くことが多いため、非接触型の検出装置が求められていた。
妄想プロジェクト 妄想プロジェクト
アンドロイド探知カメラ
近年、人間とまったく同じように見える「バーチャルモデル」などがSNS上で人気を博している。そう遠くない未来のロボットやアンドロイドが普及した社会では、それらの容姿は限りなく人に近づき、一見しただけでは人間かどうかの見分けがつかなくなる時代が来るかもしれない。
もし、「生体検出」機能を搭載したカメラがあれば、玄関のチャイムを鳴らした訪問者が人間かそうでないかを判別できる。誰かの顔を偽造して侵入しようとする悪意ある第三者から身を守るための技術は、きっと未来には必須な技術だ。
なぜできるのか?
撮影画像から生体領域や内部情報を検知
近赤外画像と可視画像を取得できる撮像システムにより、ドットパターンの光を照射した被写体を撮影して解析。直接反射光による成分と、生体内部での散乱光による成分との比率に基づいて生体領域を検出し、その領域内で生体情報を計測する。
被験者を拘束せずに高い精度で人体を検出
近赤外光を生体に照射して生体情報を取得するため、被験者に接触する必要がない。物体に比べて生体は内部散乱光を多く含む点を利用して、生体であるかどうかを検知するほか、内部散乱光には血液情報が含まれることを利用し、脈拍や血流量等といった生体情報を取得する。
表面散乱光の影響を抑制
近赤外光などを用いて生体情報を取得・分析する方法において問題となるのは光の表面散乱である。「生体検出」ではウォラストンプリズム(*)などの光学素子を用いて光を分離することにより、外乱光が存在する場合でも、対象物からの光の表面散乱成分を抑制しつつ内部散乱光の情報を取得できる。
*ウォラストンプリズム:複屈折を利用し、入射光を直交する偏光面を持つ2つの光線に分離するためのプリズム
相性のいい産業分野
- IT・通信
顔認証を使用した防犯の際の不正なりすましやハッキング対策への活用
- 生活・文化
災害時や悪天候環境で、遭難者や行方不明者の生体信号を検知し発見・救助
- 医療・福祉
高齢者や単身者の、生活内での体動や心拍の異常検知を利用した見守りシステム
生体情報を蓄積することによる、行動や負荷に対する生体反応の分析
- アート・エンターテインメント
生体データをパラメータとするアルゴリズミック・コンポジション(作曲)
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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