No. 112 まるでSF映画。スタイリッシュ&高機能宇宙服。

宇宙旅行客向けSpacewear

この知財は、スポーツ用品メーカーのUnder Armourが宇宙旅行会社Virgin Galactic向けに開発した世界初の商用宇宙船のための宇宙服である。宇宙環境に必要な安全性だけでなく、スポーツ向け素材を生かした快適さ・機能性も有し、優れたデザインも特徴。かつての重厚感のある宇宙服のイメージを刷新する、SF映画さながらの宇宙服は、実用化が目前に迫っている。

なにがすごいのか?

  • 重力負荷や寒暖差など、過酷な環境にも対応できる高い機能性
  • 医師や宇宙飛行士ら、多くの専門家のアドバイスを反映したデザイン
  • 着用者一人一人の体型に合わせたカスタムオーダーメイド
  • 実際にVirgin Galactic社の商用宇宙飛行で採用予定

なぜ生まれたのか?

世界初の宇宙旅行者が着用するオーダーメイドの宇宙服を開発すべく、Virgin Galactic社のためにUnder Armour社が約2年をかけてデザインした。同社初の民間宇宙旅行は、アメリカのニューメキシコ州にある宇宙港「スペースポートアメリカ」を飛び立ち、宇宙空間に数分間滞在した後、地球に帰還するという内容のため、船外に出ることは想定していない。しかし、宇宙船内とはいえ、宇宙への往復に伴う打ち上げや大気圏突入時の重力負荷、マイナス270度にもなる宇宙空間への寒暖差に耐えうる機能性の宇宙服が求められており、2020年の実施に向けて開発されていた。

なぜできるのか?

スポーツウェアの技術を生かした機能性

ベースレイヤーにUnder Armour社の「UA RUSH」を改良した生地を採用。飛行中に重力がかかったり無重力になったときに、血流を強化し水分と体温を管理する。その上に着用するブルーの宇宙服には、フィット感とサポート感のある体型を作り出す「UA Clone」という独自の構造を主要パーツに使用している。

優れたデザインでオーダーメイド

宇宙服に合わせたスタイリッシュで高機能なフットウェアも開発するなど、デザインの細部まで設計されている。名前と出身国の旗がついたオーダーメイド宇宙服として、旅行後は持ち帰ることもできる。

実用性を重視して製品化

通信機器などを収納するための複数のポケットの他、ジャケットの左胸に愛する人の写真を入れておくための透明な内ポケットも追加し、実際の利用シーンを細かく想定。2020年の商用宇宙旅行での採用を見込む。

相性のいい分野

エマージェンシー
宇宙で快適な服は地球のどんな環境でも快適だろう。災害時や過酷な環境下での生存をサポート
ファッション
気候変動にも負けない高機能と高いデザイン性を持つ宇宙服風コレクション
スポーツ
陸上や球技など各スポーツに特化した機能を付加し、スポーツ大会@宇宙空間

知財情報

主な知財ホルダー:Virgin Galactic, Under Armour

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

Mitsuhiro Odaka
小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。


知財ライティング: 丑田美奈子