No.1071

2025.09.12

ガーナで捨てられているカカオの殻をリサイクルして作られた鉛筆

CHOCOPEN(チョコペン)

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概要

「CHOCOPEN(チョコペン)」とは、ガーナの道端で捨てられているカカオの殻から作られた鉛筆。ガーナでは、毎年80万トンのカカオ豆が生産・出荷されているが、その内の75%が殻。この鉛筆は、これらの使い道がなく、放置されている殻を使用して作られている。アフリカの社会課題に取り組む団体であるNPO法人CLOUDYが企画、三菱鉛筆が開発することで実現。現地で鉛筆の製造に取り組み、販売された鉛筆の売り上げの一部を現地に寄付することで、鉛筆製造を持続可能な事業へと育成していく。このプロジェクトを通して、現地の雇用創出と経済的自立、教育環境の改善、環境意識改善を目指している。

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なぜできるのか?

捨てられるはずのカカオの殻を再利用

ガーナでは毎年80万トンのカカオ豆が生産・出荷されており、その内の75%がカカオの殻。これらは使い道がなく、放置されており、ガーナではカカオの殻がゴミ問題の一つとされている。カカオの殻を放置してしまうと、分解に伴うメタンの排出、地域社会や生態系、人々の健康に悪影響を与えてしまう。プロジェクトは、この殻で何かできたらという思いから生まれた。また、この鉛筆はガーナで生産しているため、ガーナの雇用創出にも繋がっている。

CLOUDYと三菱鉛筆によるプロジェクト

CLOUDYが企画し、三菱鉛筆が開発することで実現したプロジェクト。CLOUDYが行うアフリカ支援活動に三菱鉛筆が賛同し、ガーナで取り組むプロジェクトに対して協力を開始。三菱鉛筆の支援とともに、2年以上の歳月をかけ、ガーナの道端で捨てられているカカオの殻から鉛筆を作ることに成功した。三菱鉛筆の支援では、ガーナのカカオの殻をリサイクルして軸部分に使用した鉛筆を、現地の人々が製造できるよう、製造設備の貸与、鉛筆芯の寄付を行っている。さらに現地生産した鉛筆の中から一部を購入し、現地の小学校へ寄付することで教育の発展を支援している。

アパレルとNPOの両方を自社運営するCLOUDY

企画をしたCLOUDYは、アパレル事業(Profit)とNPO(Non Profit)の両方を自社で運営することで、外部からの寄付だけに頼らない支援活動をすることが可能であり、支援先であるガーナで本当に必要な支援を、最適なタイミングかつベストな方法で届けることができる。アフリカ・ガーナで縫製工場を建設しワーカー(主に女性と障がい者)を雇用しており、その売上の10%で「学校建設」「職業訓練校建設」「性教育授業」「給食支援」などの「教育」を軸としたアクションを実施している。

購入ごとにガーナの子どもたちへ鉛筆が寄付される

2本分が入る鉛筆のパッケージに、鉛筆1本が入って販売されている。鉛筆1本分が空いた部分には「FOR MY BUDDY」の文字が記されており、この鉛筆を購入すると文房具が行き届いていないアフリカ・ガーナの子どもたちへ鉛筆1本が寄付される仕組みになっている。

相性のいい産業分野

環境・エネルギー

捨てられるはずの素材を活用した製品開発

教育・人材

現地で生産から製造まで一貫して行うことで現地の人材育成、経済を支援

資源・マテリアル

廃棄される素材を使用した資源の開発

メディア・コミュニケーション

寄付先との交流強化への活用

この知財の情報・出典