No. 114 応答セヨ、宇宙からのメッセージを受信できる通信技術

衛星MIMO(マイモ)

衛星MIMO(*1)は、宇宙と地球をシームレスにつなぐ通信技術。衛星通信では電波伝播環境が地上通信と大きく異なり、伝播距離が長く遅延量が大きくなるため、携帯電話や無線LAN等で実用化されてきた通信技術をそのまま適用することが困難だった。一方、衛星MIMOは宇宙で収集された大容量のデータを高速で地球に伝送できるため、宇宙利用や探査の飛躍的な高度化・活性化を支えることが期待されている。

(*1) MIMO(Multiple Input Multiple Output):無線LAN通信を大容量化・高速化する技術。送信機・受信機に複数のアンテナを用いて、同時かつ同一周波数で異なる情報を伝送する。

なにがすごいのか?

  • 世界初の低軌道衛星MIMO技術
  • 大容量観測データの超高速伝送
  • 軌道地上局間の通信だけでなく衛星間の通信も実現

なぜ生まれたのか?

宇宙開発に伴い、宇宙空間における地球観測衛星、宇宙ステーション、月近傍のゲートウェイなどが収集する大量の画像・データを高速に伝送し活用するための通信インフラが求められていた。ところが、衛星通信は伝播距離が長く遅延量が大きいため、100Gbpsを超える超高速大容量通信を実現する必要があった。

なぜできるのか?

高感度・低雑音の光増幅技術

・【NTT】位相感応増幅技術、高電子移動度トランジスタ、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ技術等、受信タイミング・周波数誤差が異なる複数信号を干渉補償して分離する技術を用いて、本技術の確立を図る。
・【JAXA】低軌道衛星システム設計、衛星搭載用テラヘルツコンポーネント技術により、衛星地上局間の通信を大容量高速化する。

次世代地球観測

次期衛星搭載に向けた観測用、通信用のテラヘルツ帯無線デバイスの効果実証を行い、技術確立を図る。

相性のいい分野

災害
宇宙からの積乱雲の氷雲観測による台風等の気象状況の把握・災害対策への応用
通信
次世代の衛星間通信等への適用

知財情報

主な知財ホルダー:日本電信電話株式会社(NTT)、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

Mitsuhiro Odaka
小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。