No. 158 ペットボトルを不要にする水のパッケージ

Ooho!(オーホ)

Ooho!(オーホ)は、海藻などの天然成分由来の食用膜。Ooho!に水を入れれば「水カプセル」として掴んで持ち運ぶことができる。皮膜は風味をつけたり、着色することができ、清涼飲料水、アルコール、調味料などその他の液体類にも使用が可能。自然環境下では4〜6週間で生分解されるため、ペットボトルやカップの代替品として環境負荷の軽減に貢献することが期待されている。

なにがすごいのか?

  • 水も容器も天然成分由来でそのまま食べられる
  • わずか4~6週間で分解される生分解性の高さ
  • 風味や着色が可能なパッケージ

なぜ生まれたのか?

従来、水を持ち運ぶ際にはペットボトルやカップが利用されてきたが、製造と廃棄の際に必要となる莫大なエネルギーやCO2排出量は環境問題の一角として認知されてきた。英ロンドンのスタートアップ企業「Skipping Rocks Lab」は、こういったプラスチックによるグローバルな環境問題の解決を目指し、2014年より自社製品開発を行ってきた。2017年に大量に廃棄される水分補給用のペットボトルの量を減らすことを目標として、水をパッケージングする素材を環境負荷の少ないものに代替するというアイデアを元にOoho!開発のための資金調達を開始。2017年のロンドンマラソンでは、給水所でのペットボトルの代わりにOoho!を試験的に導入したことにより、持続可能なマラソン大会への大きなステップとなった。

現在では、ケチャップなどのソースを入れる容器や使い捨て容器の中敷き、食品ラップなど一部のプラスチック製品の代替としても活用されており、将来的に果物や野菜を包むネット、ハードウェアなどの非食品の商品を入れる袋への代用が検討されている。

なぜできるのか?

環境に優しいパッケージ

植物や海藻から抽出されたアルギン酸と塩化カルシウムといった天然素材を使用することで、環境負荷の低いパッケージを実現。

省エネな製造プロセス

Ooho!の製造に必要なエネルギーはペットボトルの1/9であり、CO2排出量も1/5にまで抑えることができる。

相性のいい分野

フード
フレッシュジュースをパッケージひとつで素早く提供するファーストフード店
フード
秘伝の調味料が入った、色と味の付いたオーホ「オーホホ」
フード
ポスト・タピオカも夢じゃない、原宿ファッション感覚のドリンク「ハラジュクおしゃれドリンク」
スポーツ
マラソンや炎天下でのスポーツイベントにおける水分補給
宇宙
宇宙空間でも日本を思い出してホッとできる、温かい味噌汁の入ったオーホ「宇宙で味噌汁」
ライフスタイル
少しでも天然素材で育てたい子育てのための母乳のパッケージ「母乳カプセル」
ライフスタイル
外出先での小さな水筒の代替品
災害
保存・廃棄が簡単な避難所用の生活用水
医療
「経口ワクチンはチューブ」というイメージを変え、投薬ミスなどの事故防止にもつながるカラフルなオーホ「一口で食べるワクチンカプセル」

知財情報

主な知財ホルダー:Notpla Limited. (Skipping Rocks Lab Limited.)

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

出村 光世 Mitsuyo Demura
Producer / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。アート/プロダクト/マーケティングなど領域に縛られずにさまざまなプロジェクトを推進。プロトタイピングに特化した「日本橋地下実験場」を拠点に制作活動を行い、国内外のエキシビションにて作品を発表している。自然現象とバイオテクノロジーに高い関心がある。


知財ライティング: 小髙充弘