No. 168 培養肉からコスメまで。低コスト細胞農業技術

CulNet System(カルネットシステム)

CulNet Systemは、汎用性の高い低コスト細胞培養プラットフォーム技術で、動物細胞で構成される食品や皮革をはじめ、様々な分野の活用を視野に入れた知財である。従来より肉などにおいて細胞培養の技術は存在していたものの、細胞の培養に必須な培養液のコストが高くなかなか商用化が進まなかったが、この知財では人間の体内システムに似た環境を構築することでコストダウンを実現。商用化や多分野応用への道が現実的になっている。

なにがすごいのか?

  • 体内に似た環境を構築することで、細胞培養コストを大幅ダウン
  • コスメや健康食品・皮革など、多分野で幅広く応用が可能
  • 細胞農業の商用化サポートや共同技術開発などで知財をプラットフォーム化

なぜ生まれたのか?

食肉や魚介類などのタンパク源や、皮革などの生物由来素材は、環境負荷の大きさ、持続可能性やアニマルウェルフェアなどについてグローバルで課題となっている。また、プラセンタ、スクアレン、レバニン、脂質成分などの機能性物質も、動物から抽出されるため、同様の状況である。
これらの解決策の一つが細胞培養(細胞農業)であり、そのための安価な細胞培養を可能にするため、インテグリカルチャー社により独自開発の低コスト細胞培養技術「CulNet System」が開発された。動物細胞で構成される食品、皮革をはじめ、様々な分野での活用を目指し、その先に食料自給率改善(食料安全保障問題への一助)やSDGs達成を見据える。

なぜできるのか?

コストダウンを実現する独自の培養法

体内では臓器間相互作用(臓器が出す有用因子が血管を通って他の臓器に届き、影響を与え合う機能)が構築されているため、効率よく安価に細胞の成長などを促すことができる。この効率的かつ自然発生的な体内システムに学び、CulNet Systemでは似たシステムを構築する事で、一般的な培養法では突破し得なかった大幅なコストダウンを可能にした。

多分野で幅広く応用が可能

この知財は細胞培養の技術であり、動物細胞で構成される食品、皮革をはじめ、様々な分野で展開することが可能である。

技術をインフラ化し、細胞培養の普及を目指す取組み

CulNet Systemを細胞培養の基本インフラとして提供し、細胞培養が国内外に広く普及することを目指す構想、「Uni-CulNet(ユニ カルネット)」を推進している。具体的には、個別企業との細胞農業商用化ソリューションや、同技術の共同技術開発ソリューションとして社外の団体と連携した組織を作る取組みを行う。

相性のいい分野

SDGs
人口爆発に向けた、環境に負荷が少ない食肉大量生産
ビューティー
若い細胞を培養したアンチエイジング化粧品&エステ
ファッション
野生動物に頼らない、培養革製のバッグや靴
医療
医療機関のない場所でも自分の細胞で傷口を修復できる、パーソナライズ絆創膏

知財情報

主な知財ホルダー:インテグリカルチャー株式会社

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

丑田 美奈子 Minako Ushida
Writer / Konel Inc.

1982年神奈川県相模原市生まれ。ライター・プロデューサー・バックオフィサーの顔を持ち、活字と音楽をこよなく愛する。別名・最もテクノロジーから遠い超文系知財ハンター。彼女の琴線に触れる知財とはすなわち万人に届きやすい知財であることを意味する。未来を作る教育関連の知財や食関連など、実用性が高く生活に密着する知財を日々探している。