No. 175 音環境の保全を徹底的に追究した防音装置

サイレンサ

本知財は、荏原製作所が開発した防音装置。従来よりもシンプルな構造でありながら、独自のシステムにより、優れた防音性・防振性・可動性を持つ。パネル枠、防振材、遮音パネルを組合わせることにより、床や壁などの固体伝播音も含めたあらゆる広帯域の音の吸音が可能である。コンサートホールの遮音扉、通気口、低温冷凍庫の扉など多様な場面への活用が期待される。

なにがすごいのか?

  • 広帯域に対応した防音装置
  • 多様な場面への導入可能性
  • 素材を削ぎ落とすことによるコスト削減

なぜ生まれたのか?

サイレンサの開発において、従来、低周波音の消音と高周波音の消音はトレードオフの関係にあり、両方を実現することは難しかった。また、可動性に優れ、防振性も高く備えたようなサイレンサを開発することは容易ではなかった。荏原製作所は、これら一つ一つの課題に対して解決策となるような特許技術を複数発明し組み合わせることで、音環境の保全を徹底的に追究したサイレンサを開発するに至った。
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発明の始まりは「厳つい防音扉」。

 

妄想プロジェクト

いつでも集中できるわたしの仕事場

リモートワークにはつきものの、環境音の問題。集中して仕事に取り組みたい時、自宅に自分だけの静音空間があったらどんなによいものか。こんな要望を、この「サイレンサ」が叶えてくれるかもしれない。「いつでも集中できるわたしの仕事場」は、サイレンサを利用した、テレワーク向けの家庭用超集中作業ブースだ。家族の話し声やテレビの音、近所の工事現場の騒音といった空気中を伝わる音だけでなく、床や壁などの固体を伝わる音もしっかりと防音できる。

重要度の高いオンライン会議に参加する時は勿論、企画書の作成や読書を一気に進めたい時にも、あるいはYouTubeなどの動画サービスで撮影や生配信を行う「家庭内撮影スタジオ」としても是非活用したいスペースになることだろう。

なぜできるのか?

低周波音から高周波音に至る広い帯域の音を消音

表面部から入った音は、内部空間に充填された吸音材(グラスウールやロックウールなどの繊維質材料)に入り込んで消音される。

セル形消音器の省スペース化を実現した消音板ユニット

従来の吸音部材で不必要であった部材を低減して重量低減・コスト削減を実現。また、設置施工する場合に位置合せを容易に行うことができる。

空気伝播音と固体伝播音のシャットアウト

パネル枠と、パネル枠に防振材を介して取り付けられる遮音パネルとを有することにより、空気を振動させて空中を伝わる空気伝搬音を遮音し、床や壁を振動として伝わる固体伝搬音も低減できる。

圧損の低い消音装置

通過する流体の圧力損失を効果的に小さくでき、また流体の流れる方向に対して音が何れの側から入ってきてもその減音量を同等にできる。これにより、空気の流れの方向と音が入射してくる方向に応じてサイレンサの種類を変更して選定する必要がなくなり、設計の煩雑性を解決する。

回転機械の防振装置

回転機械が据え付けられる構造体への回転機械の振動の伝搬を防止し、回転機械の芯合わせ作業を容易にすることができる。また、地震などで回転機械が大きく揺れても回転機械の転倒を防止することができる。

相性のいい分野

ライフスタイル
ハウスメーカーと組んで自宅に静音テレカンファレンス個室を配置、あなただけのクリエイティブな時間を創出
ビジネス
騒音に悩まされがちなコワーキングスペースや公共空間に、静かで集中できる出張ブースを演出
音楽
日毎に音響が変化する野外音楽イベント会場でも、配置の組合せにバラエティを持たせることで臨機応変に防音環境の保全に対応

知財情報

主な知財ホルダー:株式会社 荏原製作所

・特許第6247732号 消音体及びこれを用いた消音器
・特許第6271182号 消音板ユニットおよびこれを用いたセル形消音器ならびに消音設備
・特許第6282418号 吸音部材及びこの吸音部材を備えたセル形消音器
・特許第6538319号 ドア枠の取付構造及び取付方法
・特許第6686102号 防振型防音ドア
・特許第4261379号 サイレンサ
・特許第5670766号 回転機械の防振装置

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Konel
/ Konel inc.

Konelはデザインとテクノロジーを融合させてフィールドを定めず制作を行う多国籍クリエイティブカンパニーです。