No. 177 分数の加減乗除が目盛りで計算できるものさし

分数ものさし

分数ものさしは、長さ12センチのものさしに5列の目盛りが付き、基準単位の「12分の1」がいくつあるか数えて計算する学習教材である。小学生が苦手意識を持ちやすい分数の原理を、ものさしの目盛りを使うことで直感的に理解できるように工夫されている。もともと小学五年生の自由研究から生まれた知財であり、定規としても使用できる手軽さも評価され、2018年に商品化された。

なにがすごいのか?

  • 分数を整数に置き換える発想で、ものさしの目盛りに対応させた
  • 一つのものさしで加減乗除が計算でき、視覚的に分数の理解が可能

なぜ生まれたのか?

発案者である小学五年生(発案当時)の山本賢一朗氏は、友人に分数の説明を求められてもなかなかわかりやすく伝わらないという課題を感じていた。さまざまな説明方法を考えていた時、父親からもらった「素数ものさし」という素数にしか目盛りがないものさしをヒントに、ものさしを使って分数を表現することを思いつく。その後夏休みの自由研究として分数ものさしの開発に取り組み、自治体の発明くふう展で入賞、その後プレジデント社により商品化された。

https://president.jp/articles/-/24673

なぜできるのか?

分数を整数に置き換える発想

約数の多い12という数字に着目し、12分の1をものさしの一目盛りにした上で、あらゆる分数を12分の1×○個(整数)という形で表現した。このことで分数を整数の理解の延長上で説明することができるようになり、小学生にも理解しやすい形となった。

視覚で示すことによる分数の理解促進

従来はテクニックとして分数の計算方法(分数の割り算は逆数をかける、など)が説明されがちだったが、ものさしで視覚的に分数を示したうえでその組み合わせにより加減乗除をすべて計算できるため、表面的なテクニックではない分数の本質の理解がしやすくなった。

相性のいい分野

教育
分数の学び始めにおける本質理解のための教材
アート
分数の法則性を反映させた、分数ものさしを使って描く絵画
フード
分数ものさしを円形に改造した、必ず平等にカットできるホールケーキメジャー

知財情報

主な知財ホルダー:山本賢一朗

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

丑田 美奈子 Minako Ushida
Writer / Konel Inc.

1982年神奈川県相模原市生まれ。ライター・プロデューサー・バックオフィサーの顔を持ち、活字と音楽をこよなく愛する。別名・最もテクノロジーから遠い超文系知財ハンター。彼女の琴線に触れる知財とはすなわち万人に届きやすい知財であることを意味する。未来を作る教育関連の知財や食関連など、実用性が高く生活に密着する知財を日々探している。