No. 181 鮮度・食感・風味を維持する次世代の冷凍技術

プロトン凍結

プロトン凍結とは、急速凍結の環境下に均等磁束と電磁波を加えて凍結(冷凍)することで、食品・食材の鮮度や食感、風味を維持する冷凍技術である。従来の冷凍方法で課題となっていたドリップと呼ばれる旨味成分の流出や、離水による食品・食材の品質低下を防止するため、次世代の冷凍技術として開発された。これまで味の再現が難しかった生ものや繊細な料理にも活用され、冷凍食品のレベルの向上に寄与している。


なぜできるのか?

ハイブリッド凍結で分子を整列

通常の冷凍の場合、最大氷結晶生成温度帯(0℃~-7℃くらい)を通過する時間が長いため、食品中の水分が大きな氷結晶へと成長しやすく、この氷結晶が細胞膜を破壊しドリップが出て劣化してしまう。これに対し、食品・食材が凍る時の「氷の粒」をできるだけ大きくしないようにすることで、冷凍による劣化を抑えた状態で急速凍結させるのがプロトン凍結の原理である。そのプロトン凍結の第一段階として、冷風に磁力および電磁波をハイブリッドして水の分子を整え、細胞が壊れないように整列させる。

急速凍結で氷の粒を小さく

整列させた水の分子の凍結時に氷核の生成にはたらきかけて氷核を一度に多数生成し、大きな氷結晶の成長を妨げることで氷の粒を小さくする。

食品の細胞を傷つけない

小さな氷の粒で構成されるため、食品の細胞破壊を防ぎ、解凍時のドリップや離水量を少なくすることができる。また、食感の低下や風味飛びなどを防止し、食品・食材の本来の品質安定に効果が期待できる。

相性のいい分野

フード
テイクアウトやデリバリーに加えた、飲食店の業容拡大のための冷凍メニュー
教育
遠方にいる先生のお手本料理を冷凍配送することで、実際に試食しながら料理を学べる料理教室
SDGs
作った料理を冷凍保存することで、劣化による食品ロスを生まない飲食店

知財情報

主な知財ホルダー:菱豊フリーズシステムズ

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

出村 光世 Mitsuyo Demura
Producer / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。アート/プロダクト/マーケティングなど領域に縛られずにさまざまなプロジェクトを推進。プロトタイピングに特化した「日本橋地下実験場」を拠点に制作活動を行い、国内外のエキシビションにて作品を発表している。自然現象とバイオテクノロジーに高い関心がある。


知財ライティング: 丑田 美奈子