No. 202 映像から脈波を測る技術で体調管理を手軽に

リズミル

「リズミル」は、光の性質と映像を利用するだけで、測定対象者の身体に触れることなく生体データを測定し、体調の変化を手軽に把握できる技術。従来、心拍数などの生体データを得るには、測定対象者が特殊な医療機器やウェアラブルデバイスを身に着ける必要があった。一方、本知財は、映像さえあれば非接触のうちにデータを得られるため、装着者への心理的・身体的負担を大きく減らすことができる。スマートフォンやパソコンなどのカメラ内蔵機器が日常生活に浸透した昨今、より多くの人が予防医療を受けられる未来の実現に向けて、本知財が一翼を担う可能性があると期待されている。

「リズミル」は、東北大学の研究チームが中核となって開発した「映像脈波抽出技術」と、株式会社シーエーシーのIT技術が合わさることで誕生した。

なぜできるのか?

光の性質と映像を利用した脈波抽出技術

可視光は波長に応じて色が異なって見えるが、血液に含まれる「ヘモグロビン」はこのうち、青色や緑色に見える比較的短い波長の光を多く吸収する一方で、赤色に見える長い波長の光はあまり吸収しない性質がある。本技術では、皮膚からの反射光、特に緑色光について録画し、波長に対する吸収・反射率の変動を皮下血管の収縮・拡張率の変動に対応付けることで、脈波を捉える。

少しの負担で、多くの生体データを取得

スマートフォンやパソコンに内蔵された(あるいは外付けされた)カメラによって、映像をリアルタイムに解析する。前もって保存しておいた映像を読み込ませることもできる。映像の解析によってバイタルサインを含む種々の生体データを推測するため、測定対象者の身体に触れることがない。そのため対象者にかかる心理的・体力的な負担を大幅に減らせる。

相性のいい分野

ヘルスケア
心拍数を常日頃モニタリングし、異常検知すると知らせてくれる、寄り添いロボット
エンターテインメント
ゲームプレイヤーの心拍に応じて演出の変化するeスポーツ(esports)
医療
モニター画面越しにバイタルサインを測定する遠隔診療
ヘルスケア
特殊な体調管理方法を要する希少動物でも、グローバルな人脈ネットワークで繋がれた専門家が映像配信を通じて見守ることのできるシステム

知財情報

主な知財ホルダー: 株式会社シーエーシー (CAC) デジタルソリューションビジネスユニット、東北大学 吉澤・杉田研究室

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

荻野 靖洋 Yasuhiro Ogino
Technical Director / Konel Inc.

1985年静岡県生まれ。幼少期から高校生までをアムステルダムで過ごす。フリーランスエンジニアとして活動する傍らで、Konelを共同創業し、WEB/インスタレーション/AI/ロボットなど幅広い技術分野の開発・ディレクションを手がける。宇宙・食・脳波など、まだまだ未開拓なテクノロジーに関心がある。 誰にも仕組みがわからない物を作りたいと考えている。


知財ライティング: 小髙充弘