No. 263 偽造を防ぐ七色の3D加工技術

エンボスホログラム

「エンボスホログラム」は、見る角度により色彩が七色に変化し、左右方向の立体感を持たせることができる加工技術。高精細な3DCGデータで生成された絵柄原稿を凹凸フィルムに記録することで、微細で色彩豊かなホログラムの視覚効果を得ることができる。被写体となる動植物や建造物等の質感をリアルに再現することができ、かつ比較的低コストで量産できるのが特徴。模倣が困難な描写による高いセキュリティ機能を持ち、近年巧妙化する紙幣や身分証などの偽造犯罪防止へのさらなる活用が期待されている。

なぜできるのか?

凹凸加工と光の干渉縞

フィルム表面の微細な凹凸加工に光の干渉縞(光源を当てると現れる明暗の縞模様現象)を記録したもので、見る角度によって色が七色に変化し、左右方向の立体感をホログラムで表現できる。そこに目視では認識できない微小なマイクロ文字の技術を組み合わせることにより、さらにセキュリティレベルを向上することができる。

独自の電子線描画技術

コンピュータ・グラフィックスで作成した画像を、半導体部品の製造に使用される電子線描画装置を用いて直接原版に記録。高輝度・高精細な絵柄やグラデーション表現が可能となる。仮想的な3D画像を原稿とすれば、実空間には存在し得ない位置関係や形状のホログラムを表現することもできる。

相性のいい分野

セキュリティ
複雑な色彩表現とデザインで紙幣やパスポート、運転免許証などの偽造防止
広告
目をひくホログラム・アイキャッチでつくる看板やポスター
ファッション
見る角度や動きによりカラーリングが変わる服やアイテム
エンターテイメント
回廊を進むたびに色彩と景色が変化するホログラム美術館
ライフスタイル
風景や思い出を様々な角度から立体で残す未来のホログラム記念写真

知財情報

主な知財ホルダー:大日本印刷株式会社

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。


知財ライティング: 松岡真吾