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2025.01.14
知財ニュース
トヨタ、未来の実証都市「Toyota Woven City」のPhase1の建築が完了―今秋から入居を開始、将来は2,000名程度を予定
トヨタ自動車は、米国ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」にて、 トヨタが静岡県裾野市で計画している実証都市「Toyota Woven City」のPhase1の建築が完了し、2025年秋以降のオフィシャルローンチに向けて、その準備を本格化することを発表した。
トヨタは2018年のCESでモビリティカンパニーへの変革を宣言し、2020年のCESでは実証都市「Woven City」の構想を公表。そのコミットメントを果たすべく、2020年以降、このプロジェクトをサポートする独立した会社ウーブン・バイ・トヨタ株式会社とともに、着実に「Woven City」の開発を進めてきた。
「Woven City」は、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地にリアルなテストコースとして建設を開始した。美しい富士山のふもとに位置しており、ここは人が住み、働き、楽しむだけの場所ではなく、あらゆる新しいプロダクトやアイデアを発明・開発できる場だ。
設計にあたり、環境への配慮のみならずクオリティ・オブ・ライフの向上などヒトを中心に据えた取り組みを行っていることが認められ、日本で初となる「LEED for Communities」(米国グリーンビルディング協会が運営する建築や都市の環境性能評価システム)で最高ランクのプラチナ認証を取得した。今後内装工事やインフラなどの準備を本格化させ、2025年秋以降に実証を開始し、オフィシャルローンチを迎える予定だ。
また、この東富士工場の建屋を一部残し、Woven Cityにおけるモノづくりの起点として活用すべく、リノベーション工事を進めている。さらに、Phase2の造成工事もすでに開始しており、Phase1での学びを生かしながら、モビリティのテストコースとして求められる要件を明確にし、Phase2以降の計画に反映していくとしている。
Woven Cityは「自分以外の誰かのために」という思いをもつInventors(インベンターズ/発明家)が「モビリティの拡張」を目指し、自らのプロダクトやサービスを生み出し、実証を行う場だ。
住民及びビジターはWeavers(ウィーバーズ)と呼ばれ、クルマのテストドライバーと同様に、インベンターが開発した新しいプロダクトやサービスを体験し、未来をともに紡いでいく大切な役割を担ってもらうのだという。
Woven Cityで実証に参加する住民は、2025年秋以降の開始時点で100名程度。最初はトヨタやウーブン・バイ・トヨタなどの関係者とその家族になる予定だ。その後、インベンターなどにも拡大していき、一般の人の住民としての実証参加は2026年度以降を計画している。フェーズごとに住民は増加し、最終的には約2,000名が住む予定としている。
豊田章男会長によると、住民にはトヨタ従業員やその家族、定年を迎えた人、小売店舗、実証に参加する科学者、各業界のパートナー企業、起業家、研究者などが含まれ、ペットも大歓迎とのことだ。
なお、インベンターにはダイキン工業、ダイドードリンコ、日清食品、UCCジャパン、増進会ホールディングスの5社が既に決定している。今後、スタートアップや起業家、大学・研究機関などもウーブン・シティを活用できるよう、今夏ごろ「アクセラレータープログラム」の募集も開始される。
Top Image : © トヨタ自動車 株式会社
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