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2024.04.19
知財ニュース
フランスCEAが開発、わずか4分で脳スキャンを完了する高性能MRI「イズールト」を公開
フランスの代替エネルギー・原子力委員会「CEA」が、磁場強度が11.7テスラのMRI装置「イズールト」でスキャンされた人間の脳画像を世界初公開した。従来の技術では2時間ほどかかっている脳画像のMRI撮影を、わずか4分で優れた解像度で撮影することが可能という。
© CEA
この成功は、世界で最も強力なMRI装置を設計および構築することを1つの柱とする目標を掲げた「イズールト」プロジェクトの一環として、20年以上にわたる研究開発の成果だとしている。
MRI装置「イズールト」は、わずか4分で優れた解像度の脳を撮影することが可能なのだという。現在病院で利用されているMRI装置の磁場強度は1.5または3テスラだが、「イズールト」の磁場強度は11.7テスラだ。従来のMRI装置では同じ画質を得るには数時間かかり、患者が少しでも動くと画像が「ぼやけて」しまうのだという。
© CEA
「イズールト」の面内解像度は0.2mm、スライス厚は1mmだ。これは数千個のニューロンに相当する体積に相当する。
このような詳細な解像度を達成することで、これまでは得られなかった脳のメカニズムに関する情報を入手し、脳がどのように精神表現をエンコードしているかを理解し、どのような神経信号が意識状態に関連しているかを知ることが可能になるとのこと。
© CEA
「CEA」は、MRI装置「イズールト」で達成される詳細レベルは、医学研究に影響を与えるだろうとしており、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の診断とヘルスケアに役立つと述べている。
© CEA
Top Image : © CEA