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2025.01.30

知財ニュース

AGC社、AR/MRグラス向けガラス基板が「CES 2025 Innovation Awards」受賞―日本企業が躍進

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米国ラスベガスで2025年1月7日〜1月10日の期間開催された世界最大級のテクノロジー展示会CES 2025に、日本企業も複数参加、製品の技術開発に重要な基本技術も展示された。


3年連続でCESに出展しているAGC株式会社は、未来のブレイクスルーを支える同社の素材・ソリューションを展示。AGC社のAR/MRグラス向けガラス基板「M100/200 シリーズ」は、本年のCES Innovation Awardsを受賞した。また、同社は公式サイトで、AR/MRグラス向けのガラス基板の開発に成功し、量産体制を整えたことを発表している。

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AR/MRグラス向けのガラス基板には、視野角を拡大することができるよう「高屈折率であること」や、画像を鮮明にみせるために「高透過率であること」が要求されているほか、高平坦性や表面の平滑性など、画像を精度高く伝搬させるために高度なガラス加工技術も求められる。同社の開発した高屈折で高透過のガラス基板は、こうした特性を全て兼ね備えた製品なのだという。


株式会社栗本鐵工所は、「感触を体感できる世界」をキーワードにVR/MR分野への適用をはじめ、様々な分野への応用展開が期待される「SoftMRF」デバイスの新しい可能性について紹介した。同社は、「SoftMRF」とそれを用いたMRFデバイスの開発及び製品化を進めている。

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「SoftMRF(ソフトエムアールエフ)」は、ナノ粒子を用いた磁気粘性流体で、同社の独自技術なのだという。MRF(磁気粘性流体)は磁気を通すことで硬さが変わる流体だ。磁気の強さを変えれば、サラサラからカチカチまで自由自在に硬さを変えることができる。

これを応用し、感触のデータを電気信号に変え、その電気信号を磁気としてMRFデバイスに伝えることで、遠く離れていても触ったときの感触を伝えることができるとのこと。同社の「SoftMRF」は粒子がナノサイズのため、粒子の沈殿が軽微。細かい制御も可能で、リアルな感触提示が可能だ。

「SoftMRF」は、バンダイナムコアミューズメントのVRアクティビティ「釣りVR“GIJIESTA”」に感触提示コントーラーのコアデバイスとして採用されていたのだという。魚がかかった時の“引き”や“アタリ”の感触を「SoftMRF」で創り出したとのことだ。


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日新電機工作株式会社は次世代のアイトラッキング技術「Messay Development Kit(MDK)」を展示した。「Messay Development Kit(MDK)」は、同社の目で会話するアプリ「Messay」で使用されている目や顔での操作を、簡単にアプリに組み込むためのSDKだ。スタートガイドに従って、簡単に実装可能で、顔や目の動きを使ったさまざまなジェスチャーが、まるでマルチタッチ操作のように、操作に使えるようになる。

同社は、「CES2025」では1000名近い人がブースに来て、視線や顔でのジェスチャー操作を体験してもらえたと同社のXで投稿している。

また、同社は2025年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンの展示・出展ゾーンに出展企業として採択されたと「Messay」のアプリ公式サイトにて発表している。

CES 2025出展(AGC株式会社)についてはこちら(1)(2)

ガラス基板についてはこちら

CES 2025出展(株式会社栗本鐵工所)についてはこちら

株式会社栗本鐵工所の「SoftMRF」についてはこちら(1)(2)

「Messay Development Kit(MDK)」についてはこちら

目で会話するアプリ「Messay」についてはこちら

Top Image : © AGC 株式会社

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