News
2023.10.25
知財ニュース
防衛装備庁と海上自衛隊、世界初の「レールガン」洋上射撃試験実施─極超音速でミサイル迎撃目指す
防衛装備庁は10月17日、海上自衛隊と連携して、世界初となる「レールガン」の洋上射撃試験を実施したと発表した。海自の艦艇にレーガンを搭載し、実射実験を行った。
レールガンは、電気エネルギーを用いて弾丸を発射する「電磁砲」。火薬を用いる従来の火砲よりも大幅に加速度が大きく、極超音速(2,297m/秒=約マッハ6.7)で弾丸を発射できる。同庁は、ミサイル攻撃に対応する迎撃手段として、早期の実用化を目指す。
レールガンには、電気を流して電磁力を発生させ、弾丸の発射を加速させる「電磁加速システム」を用いている。電磁力は、火砲よりも加速の立ち上がりが早く、射距離を伸ばせる。
そのため、火砲では迎撃が難しかった、マッハ5を超す極超音速ミサイルへの対応が可能になる。また長射程での迎撃を行いながら、相手側からの迎撃が困難な状況も作り出せるという。
防衛装備庁は、小型レールガンの基礎研究を1990年から開始。2016年あたりから、大型レーガンの実現を目指して、電磁加速システムの研究・試作を重ねてきた。
2022年度予算には65億円を計上し、研究を本格化している。さらに2024年度予算案には238億円を計上。今後は、高初速化や連射機能の追加などの改良を図る予定だ。
Top Image : © 防衛装備庁