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2025.08.12

知財ニュース

OpenAI、ChatGPTに「学習モード」追加―すぐに答えを出さず段階的な思考を促す

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OpenAIの対話型生成AI「ChatGPT」に、「学習モード」が加わった。質問に対してすぐに答えを返さず、ヒントや問いを表示して、ユーザー自身の能動的な学びを促す。米国時間2025年7月29日に発表し、即日提供を開始。Plus、Pro、Teamプランのユーザーをはじめ、無料版でも利用でき、日本語対応している。ChatGPT Edu は数週間以内に提供する予定だ。

「学習モード」では、ソクラテス式問答法(対話を通じて自ら考えさせる方法)やヒント、問いかけを組み合わせてユーザーの質問に対応し、段階を踏んだアプローチで自ら考える力を導く。大学生の利用を想定して開発したもので、リリース前の初期テストには、現役大学生も参加。ユースケースとして数学や統計学、会計学などの学習支援を例示している。

また、過去の質問やチャットなどからユーザーのスキルレベルに合わせて対応を調整でき、パーソナライズしたサポートが可能。クイズ出題や自由回答形式の質問といったアウトプット機能もあり、その場で理解度チェックや学習進捗の確認ができる。

利用方法は、プロンプト入力欄で「あらゆる学びをサポート」を選択するだけと簡単。またAIとの対話中にモードのオンオフを切り替えできる。現状では、教育者などに向けたモードを管理・制御する機能は備えていない。

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「ChatGPT」は学生の間でも活用が進んでおり、研究・技術開発の効率化などのメリットがある一方で、AIにレポート作成を丸投げする、面倒な思考プロセスを避けてAIに答えを求める、といった課題も指摘されている。

OpenAIのプログラム担当者は「学習モード」について、「学生に代わって課題をこなすのではなく、自らの学びについて批判的思考を用いて考える力を育むこと」が目的とコメント。今後は、学生ユーザーからフィードバックを受けながら改良を重ねた上で、メインモデルに直接学習させる方針だ。

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Top Image : © OpenAI

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