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2024.05.16
知財ニュース
小学館や経産省系、三菱UFJらがAI翻訳に29.2億円出資―オレンジ社のAIマンガ翻訳事業拡大
AI翻訳を担う株式会社オレンジは、既存投資家であるグロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家とした複数のベンチャーキャピタル、事業会社の出資により、総額29.2億円の資金調達を実施したことを発表した。具体的な出資者は、小学館や経済産業省所管の産業革新投資機構(JIC)系など10社にのぼる。
同資金調達により、AI翻訳を活用した独自ツールを用いたマンガ翻訳の規模を拡大し、日本のマンガの現状英訳ペースの約5倍(同社調べ)となる月間500冊の翻訳を目指していく。また、2024年3月に米国法人の設立を完了し、翻訳した作品を広めるための電子マンガストア「emaqi」を、2024年夏に米国でローンチするという。
同社CEOは、「自分たちが感動した、大好きなすべてのマンガを、すべての言語にして届けたい。ありとあらゆるテーマの作品があるマンガ、表現の自由の極みといえるこの創作文化を、世界の言葉で届けたい。子どもから大人まで、当たり前のように日常的にマンガを楽しんでいる社会が、世界中に広まる協力をしたい」と今後の展望を語っている。
同社は2021年の創業以来、「Creating a world where everyone enjoys manga」をミッションに掲げ、大量翻訳出版を実現するAIツール「マンガに特化したローカライズ支援ツール」を開発。
独自ツールを活用して翻訳速度を最大10倍に高め、5年後までには5万冊の翻訳を目指すといい、漫画の輸出作品数を増やし、日本のコンテンツ産業の成長を促していくとしている。
Top Image : © 株式会社 オレンジ