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2024.09.17
知財ニュース
国立科学博物館、プレイステーション2やアナログクオーツなど18件を新たに未来技術遺産に認定
国立科学博物館は、2024年度に新たに18件の重要科学技術史資料(未来技術遺産)を登録したことを発表した。
今回登録されたのは、1978年に製作されたアナログクオーツ腕時計「セイコー クオーツ シャリオ(Cal.5931)」や、世界初のDVD再生機能を搭載した家庭用ゲーム機「プレイステーション®2」、日本初の実用放電加工機、世界初のアモルファス酸化物半導体薄膜トランジスタなど、日本の科学技術史を彩る貴重な資料ばかり。「未来技術遺産」の登録件数は、合計381件となった。
プレイステーション®2 (SCPH-10000)
MIDI 搭載シンセサイザー JUPITER-6
また、日本が初めて民間航空機用エンジン開発に参入した「V2500 ターボファンエンジン及び開発資料集」や、独自技術でマイコン制御を実現した「ブラザーコンピューターミシン オーパス8」、国産初の水平釜を搭載した家庭用コンピューターミシン「ジャノメ メモリア」も選出されている。
ジャノメ メモリア
この登録は、日本の科学技術や産業技術の発展を示す歴史的資料を保存・活用し、その価値を広く認識させることを目的としている。登録された資料は、多岐にわたる分野から選ばれており、それぞれが科学技術の発展に寄与してきた重要な役割を果たしている。
さらに、今回の登録には、高温構造部材の信頼性向上に貢献した「日本鉄鋼協会『クリープ委員会』議事録及び関連資料」や、数十年にわたる長期クリープ試験を支える技術を持つ「クリープ試験機及び設計図面類」など、材料研究分野での重要な成果も含まれている。これらの資料は、国立科学博物館の「重要科学技術史資料登録台帳」に登録され、所有者には登録証と記念盾が授与される。
V2500 ターボファンエンジン 及び 開発資料集
『河氷特に氷上軌道に関する研究』
第00372号.第二世代アストロビジョン用発光素子・高輝度放電管(K-DF18GRB2A)
今回登録された資料は、9月10日から9月29日まで、国立科学博物館日本館1階中央ホールにて開催されるパネル展で紹介されるほか、一部の実物資料も展示される予定。
今回登録された資料やパネル展などの詳細は、ホームページから確認できる。今後も所有者からの連絡を受けて移動や破損などの状況を記録し、定期的に確認が行われる。この取り組みを通じて、日本の科学技術の発展の歴史を後世に伝え、技術遺産としての価値を次世代へと継承していくことが期待されている。
Top Image : © 文化庁