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2025.04.23
知財ニュース
主鏡の直径が39メートルの超大型望遠鏡、チリで建設中―Extremely Large Telescope

チリのアタカマ砂漠にあるセロ・アルマゾネスでは、ESOの超大型望遠鏡「Extremely Large Telescope(ELT)」の建設が進められている。
この超大型望遠鏡の実現により、居住可能領域にある太陽系外惑星の観測と特徴の解明が可能になり、これらの惑星に地球外生命体が存在する証拠を発見できる初の望遠鏡となる可能性がある。ELTは現在建設中で、2029年初頭に最初の試験観測が実施される予定だ。
「Extremely Large Telescope(ELT)」は、主鏡の直径が39メートル、セグメント数は798枚の超大型望遠鏡だ。現在最大の光学望遠鏡の直径は最大10メートルで、ELTの直径はその4倍になるとしている。
このELTは、現在稼働している最大の光学望遠鏡の15倍の光を集めることができる。ELTの非常に大きな集光力により、親星の前を通過する惑星の大気の痕跡を検出し、特徴づけることもできるのだという。
他のどの望遠鏡よりも鮮明な画像を実現するために、非常に高度な「補償光学」技術を採用している。コンピューターで制御する変形可能なミラーで、地球の大気の乱れによって生じる歪みをリアルタイムで補正。宇宙で撮影された画像とほぼ同じ鮮明さ(ELTの場合はそれよりも鮮明)の画像を実現し、地上からでは不可能なはるかに暗い天体のより詳細な部分を観察できる。
また、ハッブル宇宙望遠鏡の画像よりも15倍鮮明な画像を提供することができるのだという。
Top Image : © ESO