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2024.03.07
知財ニュース
Lenovo、向こう側が見える透明ディスプレイのノートPCを発表─現実世界とデジタル世界をシームレスにつなぐ
向こう側が透けて見える、透明なディスプレイを搭載したノートPCが登場した。手がけたのはLenovoで、「ThinkBook Transparent Display Laptop Concept」として発表。スペイン・バルセロナで行われた、世界最大級のモバイル関連技術の展示会「MWC Barcelona 2024」(2024年2月26日~29日)で公開した。概念実証に重点を置いたコンセプトモデルで、今後の製品展開の有無・時期などは明らかにしていない。
また同タイミングで、ThinkPad Tシリーズや「ThinkPad X12 Detachable」、「ThinkBook 14 2-in-1」といったAIソリューションの動作に適した新製品の発表も行われた。
「ThinkBook Transparent Display Laptop Concept」の透明ディスプレイのサイズは、17.3インチ(1280×720ドット)。LEDを微細化して形成した、透明なマイクロLEDディスプレイを搭載している。画面輝度は1,000nit(ニト)と高輝度で、高い彩度・コントラストを持つため、屋内外問わずに使用できる。
ディスプレイの最大透過率は55%で、厚さは3.98mm。向こう側が透けて見えるため、ディスプレイ背面にモノを置いて、デジタルコンテンツを制作するなどが可能。家の増改築時のデザインなどにも使えるという。また、PC背面に搭載されたカメラでディスプレイ後ろの物体をスキャンしてAIに解析させ、情報を表示することもできる。その先に、AIと連携したコンテンツの生成なども見据えている。
ガラス材を使ったタッチ式のキーボードは、デザインボードと切替えて使える。タッチペンを近づけるとキーボードが消える仕様だ。主にクリエイティブ制作での使用を想定してコンセプトモデルを構築したと見られる。
Lenovoは、物理的環境とデジタル世界との融合を目指し、未来的な視点として、透明ディスプレイというコンセプトを実証・公開したという。例えば現時点では、裏側からも操作している内容が透けて見えるなどの懸念もある。同社は「ThinkBook Transparent Display Laptop Concept」には、プライバシーの確保・現実世界との融合に最適な透過率の調整、画質、耐久性などに、将来的な可能性があると述べている。
Top Image : © Lenovo