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2022.04.05

知財ニュース

東芝、手のひらサイズの世界最小センサーLiDARを開発―世界最長計測距離300mを達成

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東芝は、車の自動運転の距離計測で、世界最小の体積で300メートル先までを把握する距離計測技術「LiDAR」を開発したと発表した。計測装置の一部である投光器のサイズを1/4にする実装技術と、計測可能な距離を向上させる投光器制御技術を開発し、投光器を2台実装しながらも手のひらサイズ206立方センチメートルを実現。世界トップクラスとなる解像度1200×84の画質において、世界最長計測距離300mの達成に成功した。

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また、投光器を複数組み合わせることで用途に合わせた計測範囲のカスタマイズが見込めるという。LiDARの長距離計測性能や広角性能を容易に向上することができ、長距離計測が求められる道路監視に加えて、広角性能が求められる建物内のAGV自動運転など、適用範囲の拡大が期待できる。

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LiDARは、レーザー光を物体に反射させて戻ってくるまでの時間を計測することで距離を測る。暗闇や霧や雪など視界の悪い状況で通常のカメラでは捉えにくいものも、形状および位置を瞬時に高い精度で計測する。

自動運転システムへの活用のみならず、インフラ監視への適用にも期待され、道路や建物内などにおいて、さまざまな場所における落下物をLiDARで監視することで、災害発生時などに迅速な状況把握や通行可否の判断につなげることが可能となる。

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今後、LiDARのさらなる高性能化(計測距離の伸長・高解像度化・小型化)を進め、高度な自動運転と高精度なインフラ監視の実現を目指し、2023年度の実用化に向けて研究開発を進め、ロボティクス・ドローンやセキュリティなどの幅広い分野に展開できるよう、ソリッドステート式LiDARの開発を進め、安心・安全な社会の構築に貢献していくという。

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Top Image : © 株式会社 東芝

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