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2023.04.22

知財ニュース

人類史上初、宇宙展示のアート衛星─アート作品を宇宙に打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)船外で展示するプロジェクトを始動

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SPACETAINMENTとSpace BD株式会社は、「宇宙に設置されてはじめて完成する」インスタレーションとして、人類史上初となるプロジェクト、アート衛星を宇宙へと打上げ、数ヶ月のあいだ宇宙空間に曝露させたのち補給船で地球に帰還する「スペースデリバリープロジェクト」を開始した。

SPACETAINMENTが取り扱うスペースアート(アート作品)を、「スペースX」のFalcon9ロケットによって2023年3月15日、国際宇宙ステーション(ISS)へと打ち上げた。数ヶ月間、国際宇宙ステーションの船外実験プラットフォームに「展示」し宇宙空間にさらし、補給船で地球に帰還させる。

本スペースアートプロジェクトは、''宇宙商社''のSpace BD株式会社の「スペースデリバリープロジェクトーRETURN to EARTH—」とのコラボにより実施。国内外の研究機関や教育機関、民間企業など13団体から寄せられた研究開発素材やプロモーションアイテム、民芸品などをISS(国際宇宙ステーション)に送り、数ヶ月間、国際宇宙ステーションの外部に設置された船外実験プラットフォームで宇宙空間にさらした後に地球に戻す。

なお、対象品の選定から打ち上げ、回収までのあらゆるサポートをSpace DBが遂行する。

image1 打ち上げられた対象品の一部

そのほか、ニューヨークを拠点に活動するコンセプチュアル・アーティストYasuo Nomura(野村康生)氏のアート作品「ほしの姿観 | Eyes on Us(PION Plate:パイオン・プレート)」が打ち上げられた。

Yasuo Nomura氏の本作品は「重力から解放された空間に設置されてはじめて完成するインスタレーション」として、数ヶ月間、船外実験プラットフォームに置かれた後、「宇宙を経験して記憶した」史上初のアート作品として地球に帰還する。

a2f9dc 9dda4f8f323e4753890d8615c5016d8f-mv2 2022年にアート衛星のプロトタイプとして島根県立石見美術館で発表された直径10mの体験型アート「InsideOut」と野村氏。 photo by Shotoku Koh

昨年4月、宇宙エンターテインメント事業の共創に関する覚書を交わしている両社。現在は、Yasuo Nomura氏の世界観に合わせて、衛星を彫刻作品として打ち上げるアート衛星「宇宙で体験するアート人工衛星 PION—パイオンー」を制作して地球低軌道に打ち上げるプロジェクトも開始しており、今後もさまざまな「スペースアート」でのコラボが期待される。

■「スペースデリバリープロジェクト」参加企業・教育機関(五十音順)、対象品

アダマンド並木精密宝石株式会社
・〈研究活用〉工業用ダイヤモンド

京都大学
・〈研究活用〉木材試験体とポリイミド樹脂
・木造人工衛星を打ち上げのための宇宙空間での木材の耐久性確認

クラーク記念国際高等学校
・〈記念品〉学校名のロゴパネルを刻印したアルミ板

Space SAGA
・〈記念品〉地球と対話するフードシステム「ジオ・ガストロノミー」公式サイトへのQRコードを刻印したアルミ板

損害保険ジャパン株式会社
・〈記念品〉キャンペーンで抽選された方の思い出の写真、同社公式キャラクターのジャパンダを印刷したアルミ板

たんぽぽ4研究チーム(福岡工業大学、横浜国立大学、北海道大学、ウィーン大学ほか)
・〈研究活用〉「宇宙での生命の起源、移動と生存」の解明を目指した宇宙環境での生体有機物合成と微生物の生存性の検証

東亞合成株式会社
・〈研究活用〉同社製品「アロンアルフア」の宇宙曝露耐久試験装置

八戸工業大学第一高等学校
・〈教育教材〉地域に伝わる昔話のキツネをキャラクターデザインし、NCフライス盤で彫刻した生徒手作りのアルミ板

Airvantis社(ブラジルの宇宙関連企業)
・〈記念品〉企業ロゴを刻印したアルミ板

Toucan Space社(フランスの宇宙関連企業)
・〈記念品〉有名人がサインした紙の束

ニュースリリース(1)(2)

ニュースリリース(スペースデリバリープロジェクト)

SPACETAINMENT 公式サイト

Space BD 公式サイト

Yasuo Nomura氏 公式Twitter

アート作品打ち上げプロジェクト「PION UNITED」 クラウドファンディングページ

Top Image : © Space BD 株式会社

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