News

2022.03.16

知財ニュース

マスクも湯気も気にならない「曇らないメガネ」が実現─シンガポールの大学が新たなプラスチックコーティング技術を開発

スクリーンショット 2022-03-15 16.41.43

シンガポール 南洋理工大学の研究チームは、プラスチック表面に塗布すると曇りを防ぎ、セルフクリーニングすることで、頻繁に再塗布する必要性を克服した新しいタイプのプラスチックコーティング技術を開発した。

二酸化ケイ素と二酸化チタンの薄い二層膜で構成された耐久性のあるコーティングは、2段階の技術で施される。使用にあたっては、接着性を向上させるために表面を洗浄する一般的な工業的手法として、まずプラスチック表面を酸素プラズマで処理する。その後、レーザービームを集光してコーティング対象物を気化させ、目的の厚さの膜を形成するパルスレーザー堆積法を用いて、プラスチック表面に薄い2層膜を蒸着させる設計だ。

また、このコーティングには光触媒機能があり、太陽光(紫外線)に当たると有機物の残留物と反応して除去する「セルフクリーニング」が可能となっている。実験室でのテストでは、紫外線を1日当てただけで、プラスチック表面の汚れ(バクテリア、ゴミや汚れなど)を分解できたという結果が出ており、メガネの他にもカメラのレンズやフロントガラスなどさまざまなものへの応用が期待されている。

開発チームはすでにこの技術の特許を申請済みで、産業界との提携を模索しているとのこと。

ニュース原文はこちら

Top Image : © Nanyang Technological University

広告