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2024.12.11

知財ニュース

理研が光量子コンピュータを世界初公開、超高速計算をクラウド提供

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理化学研究所などの共同研究グループが新方式の量子コンピュータを開発し、インターネット経由で利用できるクラウドプラットフォームとして公開した。従来の量子コンピュータと比べて高速かつ大規模な量子計算が可能になると期待されており、世界に先駆けた汎用型光量子計算のためのプラットフォームだ。

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量子コンピュータは、スーパーコンピュータでは効率的に解けない特定の問題を解決できる可能性を秘めており、様々な方式が開発競争を繰り広げている。

理研も既に超伝導方式を公開しているが、今回開発された光量子コンピュータは、光を使うことで更なる高速化と大規模化を実現。光の速さを活かした超高速計算に加え、室温で動作できる点も大きなメリットとなる。

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開発された光量子コンピュータは、「時間分割多重化」と「測定誘起型」という技術を組み合わせたもの。特殊な光を用いて、粒子同士に強い結びつきができる大規模な「量子もつれ状態」を作り出し、複雑な計算を効率的に実行する。

同システムは、インターネットを介したクラウドシステムを通じて利用可能で、金融、医療、新素材開発、AIなど、幅広い分野での応用が期待されている。現在は共同研究を通しての利用に限定されているが、将来的な一般公開も検討されている。

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Top Image : © 国立研究開発法人 理化学研究所

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