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2023.04.24
知財ニュース
ECOMMIT、不要品回収・選別・再流通を一気通貫で行う「PASSTO」開始─郵便局を皮切りに”循環させる”インフラを提供
モノの循環の仕組みを作る循環商社である株式会社ecommit(以下、ECOMMIT)は、不要品の回収・選別・再流通を一気通貫で行うオリジナルブランド「PASSTO(パスト)」のサービス提供を開始した。
SDGsの旗印のもと、近年これまで以上にリユース・リサイクルの意識が高まってきている。ただ依然として、モノを”捨てる”インフラに対して”循環させる”インフラは少なく、身近には存在していない。
「PASSTO」はそうした現状を受けて誕生。ブランド名の「PASSTO」は、"PASS TO"を短縮した造語で「次の人に渡す、未来につなぐ」という意味が込められている。
「PASSTO」が提供するのは、使わなくなったモノを回収BOXで集め、選別し、使いたい人につなげるサービス。特徴は、回収対象が多品目であることと、公共施設や商業施設など、より場所に回収BOXを設置する点にある。これまでもリサイクルBOXによる回収は行われてきたが、一部のアパレル企業による店舗などでの衣類回収がメインだった。
「PASSTO」で対象となる不要品は、衣類のほか、バッグやベルトなどのファッション雑貨、ゲームソフトやぬいぐるみなどのホビー用品だ(対象品目は設置BOXにより変動)。
回収した品は、鹿児島、東京、福岡、兵庫など全国7拠点でECOMMITが運営する循環センターで選別する。選別品は、同社が保有する国内外の販売チャネルで再流通につなげる。
サービスは、4月20日より郵便局(2カ所)に回収ボックスを設置して開始する。今後の展開として、日本全国の郵便局への設置を視野に入れているという。回収BOXの設置場所は、公式サイトの地図上で確認できる。
ECOMMITの創立は07年。環境ベンチャーとして、15年以上不要品の再流通に携わってきた。自治体や企業と連携した取り組みも行っており、22年3月には伊藤忠商事と業務提携。共同で衣類のリユース・リサイクルサービスを展開している。
また昨年には、さらなる飛躍を図るためコーポレートリブランディングを実施。「捨てない社会をかなえる」をミッションに打ち立てた。その第一歩として「PASSTO」を開発。今回のサービス開始に至った。Konelは、ECOMMITの事業開発パートナーとして参画し、コーポレートブランディングと「PASSTO」制作プロデュースを担当している。
郵便局でのサービス展開にあたりECOMMITは、日本郵政キャピタルから資金調達を実施。今後の展開を見据え、日本郵政グループとの連携強化を図っている。
同社はGoogle検索の「ググる」のように、「パストする」という言葉が「捨てずに渡す」行動の象徴となり、身近な行為になることを目指している。「PASSTO」の進展により、モノを循環させることが当たり前な社会が実現すると期待されている。
▼PASSTOクリエイティブディレクター 高木新平氏のコメント
この構想を聞いたとき、まず頭に浮かんだのは「郵便ポストのような、行動のインフラにならなきゃ」ということでした。意識で習慣を変えるのは難しいからこそ、多くの個人や法人が参加して、みんなで景色を変えていけるかが肝。そこで「PASSTO」という名前を提案しました。人の動詞であり、街の記号として。同時に、意識高い人だけが使う回収ボックスのイメージを超えて、すべての人にとって身近でポップな選択肢を目指して、クリエイティブをつくりました。PASSTOはサステナビリティがますます問われる現代において、未来の当たり前になっていくはず。最高のチームと壮大なチャレンジに、僕が一番ワクワクしているかもしれません。
▼ECOMMIT 事業開発パートナー Konel/知財図鑑 代表 出村光世のコメント
SDGsが叫ばれ始めて久しく、地球環境に配慮しない人は着実に減ってきている。しかし、配慮だけでは「捨てる」という行為を著しく減らすことは難しい。それほどに人間は「面倒」に勝てない。私自身があらためてこの難題の大きさに気づけたのはECOMMITと出会えたからです。昨年来、ECOMMITのコーポレートリブランディングを担当し「捨てない社会をかなえる」というミッションを共に打ち立ててから、早くもPASSTOという一歩目を共創していけることにエキサイトしています。PASSTOを通して人々が軽やかに循環に関わり合う未来を引き寄せていきます。地球にコミットする循環商社の挑戦に注目ください。
■ 郵便局での「PASSTO」サービス提供概要
開始日: 2023年4月20日(木)
回収拠点: 渋谷郵便局/流山郵便局
回収できるもの:衣類、帽子、ベルト、バッグ
回収できないもの: やぶれ、しみ、過度な毛玉のある服、肌着、靴下、水着、きもの、学校制服、ユニフォーム、体操着、くつ、スリッパなど履物、靴、アクセサリー類
Top Image : © 株式会社 ecommit