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2023.08.28

知財ニュース

Apple、指輪型ウェアラブルデバイスを含む特許公開─Apple Vision Proとの連携を想定か

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米国特許商標庁(USPTO)は現地時間8月10日、Appleが出願していた特許「SKIN-TO-SKIN CONTACT DETECTION(皮膚と皮膚の接触検出)」を公開した。特許は、皮膚と皮膚の接触や指の動きを検知するシステムと方法に関するもの。接触やジェスチャーなど特定の状況を検知すると、デバイスを動作させることができる。

特許の中では、Apple Watchと見られるウェアラブルデバイスのほか、指輪型デバイスを用いた方法を例示している。指輪型のウェアラブルデバイスは、生体情報の測定や健康管理ができる「Oura Ring」などを始め、すでに複数の製品が流通している。本特許は主に、Appleが展開している他デバイスの入力・操作用としての利用を想定しているもようだ。

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Appleは特許の背景に、デバイス入力に用いられることが多いカメラによる検知の問題点をあげている。例えば、ヘッドマウントディスプレイのカメラで指の動きを追跡して検知する方法では、指が接触しているのか、近接しているだけか、といった違いを検出するのが難しいという。また指と手がカメラの視野内にあることが前提となり、検知に制限が生じる。

Appleは、そうした問題を解消する方法として本特許を提示している。背景からは、同社が2024年に発売予定のXRヘッドセット「Apple Vision Pro」との連携を見据えていることが想像できる。ただスマートフォンやタブレット、PCなどの活用例もあるため、iPhoneやiPad、Macなどとの連携も対象に含まれている。

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指輪型デバイスは、片手または両手の指に装着する、同じ手の2本の指に装着するなどを想定。指先・指の側面・手との接触や離反、移動など、特定の状態をセンサーが検知してデバイスを動作させる。例えば、VRやMR環境でのタップによるコンテンツ選択や、スライド、スクロールなどの操作を、タッチスクリーンなしに行えるようになる。

指の向きや力の変化などによる誤検出の可能性も見込み、カメラや湿度・力覚センサーといった他の検知情報を組み合わせた活用も想定。また、触覚フィードバックの搭載も視野に入れている。

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同社はApple Vision Proを、2024年前半に米国で発売し、2024年後半には複数の国で販売予定。Apple Vision Proを”空間コンピューター”と位置づけて、コンテンツを手・指や目の動き、声などで操作できる仕組みの提供を予定している。Apple Vision Proを補完するような指輪型ウェアラブルデバイスが、間もなく登場するかもしれない。

特許情報 “SKIN-TO-SKIN CONTACT DETECTION”

Top Image : © Apple Inc.

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