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2022.09.15

知財ニュース

パナソニック インダストリーら、「超軽量電磁波遮蔽材料」を共同研究─アルミニウム比270分の1の軽さ

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パナソニック インダストリー株式会社、名古屋大学、山形大学、秋田大学らの研究チームは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、「超軽量電磁波遮蔽材料」技術の共同研究を開始した。

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開発する「超軽量電磁波遮蔽材料」は、アルミニウムと同等の電磁波遮蔽性能を持ちながら、アルミニウムの270分の1の軽さを実現するもの。これにより、かさ密度0.01g/cm3レベルの大幅な軽量化が可能となる(アルミニウムのかさ密度は2.7g/cm3)。

従来、人工衛星などの宇宙機やドローンeVTOL(空飛ぶ車)などの電動航空機、5Gやそれ以降の高速無線通信の基地局などに用いられる電子材料には、軽量化や高度な電磁波遮蔽能が求められてきた。特に機器の軽量化は、航続可能距離の伸長につながることが期待されている。

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そこで研究チームは、本材料の開発に着手。これまでパナソニック インダストリーらの研究チームが2020年1月から2021年3月に行っていたカーボンナノチューブの研究(JAXA宇宙探査イノベーションハブ「アイデア型」共同研究)を発展させる形で、2022年6月から「超軽量電磁波遮蔽材料」技術の共同研究に乗り出した。

また、開発する材料は、パナソニック インダストリーの保有する「熱硬化性樹脂の配合設計技術」と「フリーズドライ製法」により、さまざまな立体構造を作成でき、採用機器の形状に応じた加工が可能。材料の組成を変えることで周波数に合わせて遮蔽性能を調整でき、通信品質の向上に貢献できる。

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研究チームは今後、宇宙機や電動航空機、5G・6G用途関連機器のほか、産業機器、車載機器、VRAR機器などへの用途展開に向けて開発を推進し、2024年の実用化を目指す。

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「超軽量電磁波遮蔽材料」詳細ページ

Top Image : ©︎ ​名古屋大学

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