No.1060
Tech Direction Awards受賞作品
2025.08.06
「旅の衝動」を追体験する、AR時代の大規模ランド・アート
6okken 拡張遊歩「まだ見ぬ世界」の歩き方

概要
「6okken 拡張遊歩「まだ見ぬ世界」の歩き方」とは、山梨県富士河口湖町の6つの家を拠点とするアーティストコレクティブ「6okken」によるリサーチ、AR作品、VR作品、写真作品等からなる複合的プロジェクト。6okkenは、富士山エリアで課題となっている「オーバーツーリズム」に着目して、AR(拡張現実)技術を用いたアートプロジェクトに取り組んできた。展示では、養蚕と紬の伝統を織りなす富士河口湖町大石地区の古民家をメイン会場に、河口湖エリア一帯でAR作品を展開。最新のテクノロジーを駆使し、これまでにないツーリズムを芸術作品にて提案する。都市・地域研究、ドローイング、XR、写真、パフォーマンス、空間計画など、ユニークで多様な専門性をはらむ6okkenならではのリサーチとアウトプットが体感できる。
なぜできるのか?
アーティストコレクティブ「6okken」によるプロジェクト
「6okken」は、山梨県富士河口湖町に佇む6軒の家を拠点とするアーティストコレクティブ。14名のメンバーがそれぞれユニークな表現領域を持つ。「生活と制作を見直す」ことをテーマとした表現や、制作プログラムの開発に取り組み、拠点は宿泊施設、アーティスト・ラン・レジデンス、ワークショップの現場として運営している。今回の展示は、「拡張遊歩」のコンセプト実現のために、6okken内外から様々な専門性を持つメンバーがプロジェクトに参画している。
築150年を超える古民家とVRを用いた展示
メイン会場では、河口湖湖畔の築150年を超える古民家を用いて、本プロジェクトの全容を体験。写真家とセノグラファーの意欲的なコラボレーションと、VR作品が展示される。変わりゆく地域とともに時を重ねた建物で「まだ見ぬ風景に出会うための態度」を体感できる。
ARアプリを使った鑑賞体験
河口湖エリアでは、6つの地点でスマホカメラをその場の風景にかざして鑑賞する「AR作品」を配置。これは、肥大化、停滞した人の流れを解きほぐすように、旅人を誘導する新たな「線」を差し込む試み。この河口湖エリアはこれまでにないオーバーツーリズムに晒され、連日報道が重ねられてきたエリア。河口湖地域に在住のアーティストによって生み出されたAR作品を、オーバーツーリズム問題の渦中にある現地で体験する。AR再生アプリ「STYLY」をスマートフォンにインストールし、指定のエリアにある看板からQRコードを読み込むと、鑑賞を開始することができる。
アーティストが直接共有する展示ツアー
ワークショップ「展示ツアー&拡張遊歩ドローイングさんぽWS」を実施。本展の趣旨に沿った遊歩の体験をアーティストが直接共有する。みんなで「自分の意思で歩くこと」と「他者に行き先を委ねながら歩くこと」を行い、ARの作品を見ながら、身体の動いた痕跡を観測したり、体感するワークショップ。
相性のいい産業分野
- アート・エンターテインメント
ARアプリを使用したアート鑑賞体験への活用
- 教育・人材
ARを使用した校外学習などデジタルと融合した学校教育への活用
- 旅行・観光
観光地の案内や体験ビジネスへの活用
この知財の情報・出典
6okken
YAMANASHI PREFECTURE(山梨県)
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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主催:山梨県
開催場所:河口湖湖畔 古民家(山梨県南都留郡富士河口湖町大石193番地)
会期:2025年3月8日(土)〜3月30日(日)
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Top Image : © YAMANASHI PREFECTURE