No.1059

Tech Direction Awards受賞作品

2025.08.06

多様なデータとXRデバイスに対応したまちづくりDXツール

torinome(トライノーム)

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概要

「torinome(トライノーム)」とは、3D都市モデルとXR技術がシームレスにつながったデジタルツインプラットフォーム。国土交通省が主導する都市デジタルツイン実現プロジェクト「PLATEAU(プラトー)」の3D都市モデルを基にしたWebベースのシステムで、3D地球儀上に多様なデータを重ねて表示できる。XRとスムーズに連携し、位置・空間データや画像などを現実空間に投影可能。ARを用いた計画検証の機能もあり、都市開発や建築計画などをサポートする。「PLATEAU」とXRの掛け合わせにより、複雑な開発計画でも直感的な理解を可能にし、市民参加型のまちづくりや未来創造を促すと期待されている。

※XR― VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)といった、物理世界とデジタル世界を融合して新たな体験や空間を創り出す技術の総称

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なぜできるのか?

「PLATEAU」を用いたソリューションの展開

国交省が2020年から進めているプロジェクト「PLATEAU」がベースにある。地方公共団体や民間企業、研究者、クリエイターなどと連携し、日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を推進。誰でも利用できるデータとして3D都市モデルを提供し、防災やまちづくり、モビリティなど多様な領域でユースケース開発を支援している。
ホロラボは、2022年度より3年に渡り「PLATEAU」に参画。東京都八王子市など複数都市で「XR技術を活用した市民参加型のまちづくり」を展開し、ワークショップを通じて再編計画の議論を深めたり、都市整備のアイデアを創出したりと市民参加を実現した。そうした取り組みの中で「torinome」を構築。継続的な技術進化を図っている。

使いやすく拡張性を持たせたシステム構成

3D地球儀上にデータ表示するWebアプリケーション「torinome Web」を軸に、「torinome AR」「torinome Planner」と計3つのアプリで構成している。CityGML・3D TilesといったPLATEAUが提供する3D都市モデルのデータ形式に対応。「torinome Web」では、地理空間情報(GIS)や画像、動画、3Dモデルなど、2D・3Dデータを自由に重ねて表示でき、独自所有・作成データも組み込める。また、現実空間でデータ投影が可能なフィールドワーク用の「torinome AR」と、複数人で同一画面やARなどを確認して計画を検証できる「torinome Planner」を搭載し、物理世界での活用を支援。他アプリともAPI連携でき、機能拡張やデータ連携も可能にしている。

相性のいい産業分野

官公庁・自治体
  • まちづくりへの市民参加や都市開発の合意形成を図るツールとして採用

  • 災害前の都市の状態確認や再構築に使える災害復興ツールの開発

住宅・不動産・建築

設計データをデジタルツイン上で可視化できる建設用ツールの開発

IT・通信

都市の景観を永久保存しながら進化・変化を追えるデジタルアーカイブに活用

AI

過去~現在のデータと市民の要望・想いを基に「未来都市」を生成するAIの開発

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 ホロラボ