News
2024.07.29
知財ニュース
ANAと豊田自動織機、羽田空港で国内初のレベル4自動運転トラクター試験
ANA(全日本空輸株式会社)と豊田自動織機は、開発中の自動運転トーイングトラクターによる国内貨物搬送を想定したレベル4での試験運用を、7月1日から7月19日の間、国内で初めて羽田空港の制限区域で実施した。
両社は、自動運転トーイングトラクターのレベル4での実用化に向け、2019年2月から九州佐賀国際空港、中部国際空港、羽田空港において、手荷物や貨物が搭載されたコンテナを搬送する、自動運転レベル3での実証実験を重ねてきた。
豊田自動織機が開発中の自動運転トーイングトラクターは、これまでの自動運転レベル3での実証実験を踏まえ、2024年4月に国土交通省航空局の立ち会いの下で行われた模擬フィールド走行試験において安全性を確認。今回、羽田空港制限区域内でレベル4の試験走行が可能となった。
試験運用では、多くの航空機や複数種の空港支援車両が混在する国内最大規模の羽田空港において、同機が貨物コンテナを牽引した状態で、安全かつスムーズにレベル4自動走行が可能かどうかの検証や、駐機場内や貨物上屋前でのオペレーション上の課題の抽出等を実施。
走行ルートは、国内線第2ターミナルの63・64・65番スポットと、東貨物上屋を結ぶ片道約2kmのルート。
使用した自動運転トーイングトラクターは、空港内全域における様々な環境・条件変化に対応できるよう、自己位置推定や障害物検知システムを高性能化・冗長化しているという。
運用面では、車両の運行管理に加え、駐機場や貨物エリアへの車両搬送指示、現場スタッフの作業項目などの情報を一元化する「Fleet Management System(以下、FMS)」を新たに開発。
また、より高い安全性が求められるレベル4の自動走行において、異常時にも迅速に対応できるよう車両の周囲の状況を把握する遠隔監視機能を搭載している。
今回の試験運用を通じて、実用化に向けた技術面、運用面などの課題を洗い出し、経済性などの検証を踏まえ、2025年中の羽田空港での無人搬送の実用開始を目指していく。
Top Image : © 全日本空輸 株式会社