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2021.07.29

知財ニュース

日本の伝統漁法「カツオの一本釣り」が、“環境に配慮した持続可能な漁法”として認められる

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日本の伝統漁法「カツオの一本釣り」が、“海のエコラベル”といわれる国際規格「MSC漁業認証」を取得した。

MSC漁業認証とは、ロンドンに本部のある国際非営利団体が「海の環境に配慮した持続可能な漁業」を認める国際規格。この認証の取得によって国際的な付加価値が高まり、知名度の向上や販路拡大などが期待されている。

今回、認証を得たのは、日本近海でカツオの一本釣りを行う高知県と宮崎県の漁業者ら18隻による「近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会」の有志。カツオのほか、ビンナガマグロなどを豪快に竿一本で釣りあげる。

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世界ではマグロ・カツオ類を対象とする漁業のMSC認証取得が加速しており、MSC認証を取得している、あるいは審査中の漁業による漁獲量が世界全体のマグロ・カツオ類漁獲量に占める割合は、2019年度の26%から2020年度の49%へとほぼ倍増している。

今回の審査は第三者審査機関であるControl Union (UK) Ltd.社により実施され、規定の審査プロセスに則り、ステークホルダーからのコメントや報告書の外部査読結果も踏まえて認証の決定がなされた。MSCジャパンによると、カツオとビンナガマグロの資源が豊富なことや、一本釣り漁業が狙った魚を獲ることができるため生態系に与える影響が小さいことなどが評価され、今回の認証に至ったという。

日南市の近海カツオ一本釣り漁業は、漁獲量が27年連続日本一で、2021年2月には日本農業遺産にも認定されている。一本釣りで獲られたカツオ、ビンナガマグロの価値がこれ以上に認められ、消費者の注目が増すことで、伝統的な漁法が永続的に次世代へと継承されるのではないだろうか。

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Top Image : ©中土佐町

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