No.1049
2025.07.04
イヤホン、ヘッドホン向けの360°全方位に広がる仮想立体音響エンジン
Sound xR

概要
「Sound xR」とは、イヤホン、ヘッドホン向けの仮想立体音響ソリューション。すべての人にイマーシブ(没入型)体験を提供するという目標に基づいて開発された。ヤマハの研究開発で培われた音響特性モデル(HRTF:頭部音響伝達関数)を使用し、音声コンテンツの空間定位を自由かつ高精細に行うことが可能。VR/AR/MR/SRの総称とされるxRealityのアプリケーション領域において、インタラクティブかつ高品位な音像定位と音空間のデザインを可能にする。プラグイン「Sound xR Core」を通常のイヤホン・ヘッドホンと組み合わせて使用することで、360°全方位に広がる立体的な音場表現を創り出すことができる。
なぜできるのか?
「ViReal™」の研究開発で培われた音響特性モデル「HRTF」を継承
ヤマハは、2017年9月に「ViReal™(バイリアル)」と呼ばれる立体音響総合技術を発表。この技術は、前後・上下・左右あらゆる方向から聴こえてくる音が没入感を演出することでVRコンテンツとも相性が高い。この「ViReal™」の研究開発で培われた音響特性モデル(HRTF:頭部音響伝達関数)を継承し、音声コンテンツを自由に高精細に空間定位することができる。
プラグイン「Sound xR Core」として提供
ゲームエンジンUnity、サウンドミドルウェアWwiseのプラグイン「Sound xR Core」として、多様なターゲットをサポートしている。
CRIのゲーム向けサウンドミドルウェア「CRI ADX」に標準搭載
2024年2月、株式会社CRI・ミドルウェアのゲーム向けサウンドミドルウェア「CRI ADX」にヤマハの仮想立体音響ソリューション「Sound xR™」が標準搭載された。近年のゲームは、複数のプラットフォーム向けにリリースされるのが一般的だが、「プラットフォームごとの独自の機能や処理能力の違いにより、ユーザーの体験が異なってしまう」という点が課題だった。今回の標準搭載で、イヤフォン・ヘッドフォン向けの高品位な仮想立体音響を、さまざまなプラットフォームに展開することが可能となった。これにより、機器の性能差や仕様の違いによって生じる「異なるプラットフォーム間における立体音響の聞こえ方の差」をなくし、今までのゲーム開発では難しいとされていた、さまざまな環境のゲームプレイヤーに対し「同一の立体音響によるリアルな没入感」を提供する。また、意図した通りの立体音響表現を作品に反映できることにより、クリエイターが制作に集中できる環境を提供し、クリエイティビティや情熱をプレイヤーにそのまま届けることも可能となった。
相性のいい産業分野
- アート・エンターテインメント
VRなどのコンテンツを使用したアトラクションへの活用
- 旅行・観光
リアルな音響体験によるバーチャル観光、旅行サービスへの活用
- 航空・宇宙
実際の現場を再現した音響でよりリアルなシミュレーションを実現
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。
Top Image : © ヤマハ 株式会社