No.1047
2025.06.26
災害・危機情報をAIで解析し、即時に伝える防災ソリューション
Spectee Pro(スペクティ プロ)

概要
「Spectee Pro」とは、SNSの投稿や気象データ、全国のライブカメラといった多様な情報をAIが解析し、災害や緊急事態をリアルタイムで検知・配信する防災・危機管理サービス。独自の特許技術による高精度解析と専門スタッフによる24時間365日監視体制により、正確で迅速な情報提供を実現した。最新の気象情報や衛星画像に加え、AIシステムに蓄積された過去のデータを統合解析することで、精度の高い被害予測も可能に。災害対策だけでなく、企業のBCP対策や、サプライチェーンでのリスクマネジメントなど幅広い分野でも採用され、従来の情報収集手段を大幅に上回る次世代のAI×防災ソリューションとして期待されている。
なぜ生まれたのか?
2011年の東日本大震災を契機に、被災地の状況を「より正確に、リアルタイムで」届けるサービスの必要性を実感し、SNSを活用した情報収集システム「Spectee」を開発。当初は報道機関向けのツールとして発展し、全国のテレビ局や新聞社で業界標準として採用された。2018年の西日本豪雨を受けて自治体や企業のニーズが高まり、2020年に多様な情報を統合した総合的な防災・危機管理ソリューションとして「Spectee Pro」が誕生した。
なぜできるのか?
多様なデータソーズとの連携システム
世界中のSNS投稿、気象庁やL-Alertによる気象データや地震情報、各種警報・注意報を取得し、国土交通省や自治体が保有する全国1万台以上の道路・河川カメラの映像情報も活用。物流ルート上の危機回避や最適ルート提案も行う。さらに、これらの膨大な情報を地図上に統合表示し、災害や危機の被害状況を直感的に把握できる仕組みを構築している。従来は個別に管理されていた各種データを一元化することで、状況の全体像を総合的に理解することが可能になった。
AI解析と人的監視の融合システム
独自開発のAI特許技術により、動画/画像解析、自然言語処理、場所特定解析を自動実行し、「どこで何が起きているか」を瞬時に判定する。同時に専門オペレーターが24時間365日体制で情報を監視・精査し、AIでは判断が困難な曖昧な情報についてはダブルチェックを実施。人工知能と人間の判断力を組み合わせたハイブリッド方式により、情報伝達の迅速性と正確性を両立している。
優れたユーザビリティによる迅速な判断支援
蓄積された過去のデータと最新の気象データ、衛星画像を組み合わせ、浸水域や被害拡大範囲をAIによって予測する機能を搭載。事前に登録した拠点周辺で危機が発生した際には、音声アナウンス、メールを通じて、正確な被害予測を即座に通知し、初動対応の判断を支援する。また、専用のアプリやビジネスチャットツールを通じて、自社スタッフからの現場情報を外部SNSデータと統合し、ダッシュボード上で一括表示でき、現場の声をリアルタイムで活用することができる。
相性のいい産業分野
- 官公庁・自治体
災害対応と住民向けの情報配信システムを強化し、迅速な初動対応の実現
- 製造業・メーカー
工場や物流拠点周辺の危機情報によるサプライチェーンリスクマネジメントの高度化
- 流通・モビリティ
交通状況や災害情報の把握による配送ルートの最適化と物流の安定維持
- 環境・エネルギー
電所・配電網の被災リスクを先読みし、他地域の発電所へ電力をシフトするなどして、大規模停電を回避
- 医療・福祉
救急搬送需要を予測し病床・スタッフを事前確保
- 旅行・観光
危険エリア情報を即時反映してツアールートを再構築し、旅行者へ安全な代替プランを提示
- 農業・林業・水産業
豪雨・強風・赤潮などのリスクを事前検知し、作物・森林・養殖生簀の被害軽減策を迅速立案
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 Spectee