No.1048
2025.07.02
簡単に設置できる路面舗装型の太陽光発電舗装
Wattway(ワットウェイ)

概要
「Wattway(ワットウェイ)」とは、驚くほどの薄さ(厚さ6mm)と耐久性を実現した、新タイプの太陽エネルギー変換装置。フランスのColas社とフランスの国立太陽エネルギー技術研究所(CEA-INES)の共同で開発された。大規模な土木工事を必要とせずに、既存の駐車場・歩道・自転車専用道路・道路等に接着することが可能。そのため、農地を減少させたり、自然景観を破壊したりせずに、既存の敷地を活用して発電できる。また、通過する車の交通量の多い場所や大型車の走行荷重、極端な気象条件など厳しい条件下でも太陽光発電能力を維持できる。災害時の非常用の電源としても活用が期待できる。CO2削減以外にもメリットのある次世代道路として国内外で実証実験や整備に取り組まれている。
なぜできるのか?
既存の駐車場や歩道など路面に簡単に設置でき、すぐに使用可能
再生可能エネルギーを生み出す太陽光パネルを埋め込んだ舗装材を路面に敷設し、電池式蓄電システムを備えた収納箱を設置して、電気設備や機器(電動自転車や電動キックボードの充電スタンド、防犯カメラ、スマートバス停、道路情報板、等)をつなぐことで自立運転が可能になる。既存の路面に設置でき、大規模な土木工事をする必要がなく、限られた国土を最大限有効に活用できる。
薄さ(厚さ6mm)と耐久性を実現
埋め込まれた結晶シリコンの太陽電池セルで太陽エネルギーを電気に変換する。セルは非常に傷つきやすいので、太陽光が届くために十分な透過性と、車両通行の荷重に対する耐久性を備えた、多層構造の合成樹脂とポリマー製の層で保護。また、車両のタイヤが接する路面は、一般的な道路舗装と同等のグリップ力を保持する処理が施されている。
「東京ベイ eSGプロジェクト」でパネル60枚の施工が完了
東京都のベイエリアを舞台に、50年・100年先を見据えた未来のまちづくりを構想する「東京ベイ eSGプロジェクト」 の令和4年度先行プロジェクトに採択。東京都環境局中防合同庁舎駐車場に、パネル60枚(最大発電能力:7.5 kWPeak)の施工が完了。発電した電力については、蓄電池(容量 16.1 kWh)に蓄電し、敷地内に設置したデジタルサイネージ、監視カメラ、LED ガーデンライトの電力源として利用している。今回設置したパネルは、大型車両の車輪30万輪相当の通過に対する耐久性を確認しており、パネルの貼付に使用した接着用樹脂は、日本の高温多湿な環境に適応するよう新たに開発したものを採用している。
日本で初めて公立学校に舗装型太陽光を設置
港区内の区立学校2校に設置。子どもや来校者の目に触れる形で、舗装型太陽光発電パネルの有効性の確認を行っていく。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Colas