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2025.03.12

知財ニュース

ライオン、画像認識AIでニキビの原因菌を可視化する技術を開発―東京電機大と共同研究、スマホ展開も想定

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ライオンは、画像生成AIを活用してニキビの原因菌である「アクネ菌」を可視化する新技術を開発した。自動運転などに用いられる画像認識AIをベースにした技術で、開発は東京電機大学との共同研究で行った。

ニキビは、毛穴詰まりなどからアクネ菌が増殖し、炎症を引き起こすことで発生する。アクネ菌の増殖の把握が重要となるため、これまでも紫外光を照射して可視化する特別な装置が用いられてきた。

アクネ菌の代謝産物(ポルフィリン)が紫外光を当てると赤色の蛍光を発する特性を用いた装置で、設置施設が限られること、顔への紫外光の照射に抵抗感を感じる人もいることから、今回の研究開発に着手。画像認識AIを活用し、自然光のもと一般的なカメラで撮影した画像からアクネ菌を可視化する技術を開発した。

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研究ではまず、自動車の自動運転などに用いられる画像認識AIをベースに、顔の画像からアクネ菌の存在箇所を自動判定するAIモデルを開発。自然光で撮影した顔の画像と、紫外光で撮影したアクネ菌の代謝産物を赤く発光させた画像をAIに学ばせた。

開発したAIでは、自然光で撮影した画像を入力すると、紫外光下の撮影を再現した画像を生成できる。研究チームは、生成画像と紫外光下での撮影画像の赤色蛍光の強さを測定。それぞれのアクネ菌の代謝産物をスコア化して比較し、相関関係があることを確認した。

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ライオンは今後、開発したAI技術をスマートフォンカメラに対応させる予定。2024年9月から同社が展開しているiPhone向けアプリ「大人のニキビ予防習慣研究所」と連携させる。大人ニキビの発症と生活習慣の関連性を調べる消費者参加型の調査アプリで、調査・研究結果とAI技術を組み合わせる。

その先に、スマホの撮影画像から日常的にアクネ菌の増殖を捉え、生活習慣の見直しを提案するサービスの構築を目指すという。

ニュースリリースはこちら(1)(2)
ライオン「大人のニキビ予防習慣研究所」

Top Image : © ライオン株式会社

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