米Appleは現地時間６月27日、「Method and device for visual augmentation of sporting events（スポーツイベントの視覚拡張のための方法とデバイス）」の特許を取得した。

取得したのは、スポーツ観戦時に、ヘッドマウントデバイスなどを用いて現地で関連データを提供し、観戦を補完する仕組みの特許。それを実現するシステム、方法、デバイスなどが含まれている。2023年6月に発表した「Apple Vision Pro」を活用した展開を見据えているもようだ。

Appleは、テレビなどでスポーツ中継を見る際、視聴者は画面表示される補足情報に慣れているが、現地でスポーツ観戦している人は同じ体験を得られていないと指摘。補足情報は、例えば、アメフト中継で表示される黄色のファーストダウンラインや、試合に出場している選手情報、試合スコアなどを指す。

本特許ではそうした補足情報を、スポーツ観戦を中断させずに、シームレスに提供することを想定。ベースとなっているのは、現実世界と仮想世界を融合させる、XR（クロスリアリティ）。それを実現する主な方法として、ヘッドマウントデバイスの活用を想定している。

特許では、フィールドの画像をデバイスのセンサーで取得・検出し、それに関連するデータを表示する方法を提示。例えばサッカー観戦のケースでは、ユニフォームや番号、顔認証に基づいて選手を識別。デバイスが選手名やこれまでのキャリア、試合成績などの関連情報を取得して、ディスプレイに表示する。

上記の方法は一例であり、Appleはこれ以外にも、音声や映像を活用したり、ホログラムや人の網膜に画像を投影する技術を組み合わせるなど、様々なアプローチ・展開を盛り込んでいる。

Vision Proは、2024年初旬に米国で販売開始予定。同年後半には、その他の国・地域への販売を予定している。近い将来、スポーツ観戦のスタイルが大きく変わるかもしれない。

特許情報 ” Method and device for visual augmentation of sporting events”
「Vision Pro」公式サイト
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Top Image : © Apple Inc.